砂時計から着想の〝飲みづらい〟グラスで適正飲酒を呼びかけ ヤッホーが数量限定で発売

AI要約

ヤッホーブルーイングが新たなグラス「ゆっくりビアグラス」を発売した。中央部分が細くくびれており、適正飲酒を心掛けられる工夫が施されている。

グラスは手作業で製作され、ビールの味わいや香りを損なわないよう設計されている。飲み干す時間は通常のグラスよりも約3倍かかる。

同社は厚労省の飲酒ガイドラインに対応するためにこのグラスを開発し、適正飲酒を啓発する取り組みを行っている。

砂時計から着想の〝飲みづらい〟グラスで適正飲酒を呼びかけ ヤッホーが数量限定で発売

クラフトビール大手のヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)は16日、中央部分が細くくびれた〝飲みづらい〟グラス「ゆっくりビアグラス」を数量限定で発売すると発表した。厚生労働省による飲酒リスクをまとめたガイドラインが2月に公表されたことを受け、適正飲酒を心掛けられるグラスとして開発。砂時計から着想を得たデザインで、注いだビールがゆっくりと口に運ばれながらも、ビールの味わいや香りを損なわない工夫を盛り込んだ。

■飲み干す時間は約3倍

東京ガラス工芸研究所との共同開発で、機械による大量生産だと割れやすいため、グラスはすべて職人による手作業で仕上げている。グラスのくびれ部分の直径をミリ単位で調整した試作グラスを6種類製作したところ、直径6ミリが「ビールの味わいや香りを損ねない設計となった」(ごらく課の川津愛美ユニットディレクター)。

グラスは350ミリリットルの缶ビール1本分の容量で、飲み干すのにかかる時間は通常のグラスに比べ3倍程度かかるという。注ぐと「コポコポ」と音をたててゆっくりとグラス内をビールが満たしていく様子を楽しめるのも特徴だ。

同社が男女約1000人を対象に調査したところ、約80%が厚労省の飲酒ガイドラインの存在を知らないといい、お酒飲用者の約35%が飲酒量を減らしたいと回答したという。同社の井手直行社長は、「適正飲酒というビールメーカーにとっても重いテーマを、このグラスを使ってユーモアを込めて伝えていきたい」と話した。

■1脚9800円で限定販売

グラスの価格は1脚9800円。販売数量は限定10脚で、同社の公式通販サイトで16日~8月16日まで抽選応募し、8月20日に当選結果を発表する。今後の販売状況などを踏まえ、飲酒量が増える年末に向けて再販売も検討する。また、東京・新橋にある同社の公式レストラン「YONA YONA BEER WORKS 新虎通り店」と東京・中野のビアバー「麦酒大学」で、期間限定で同グラスに注いだビールを楽しめる。

ちなみに、同グラスと相性が良いのは、冷たさやキレを特徴としたビールよりも、高温で発酵して濃厚な香りとコクが特徴の「エールビール」だという。飲み頃の温度を13度に設定している同社の「よなよなエール」が適しているとしている。