新幹線グリーン車よりも上? ウィラー高速バス“史上最強の4列シート”を体験 座席めちゃくちゃ凝ってた!

AI要約

ウィラー・エクスプレスの最新4列シート「プライム」の特徴を紹介。

カノピー付きの個室感、広めの座席間隔やリクライニング角度、通路側の快適さなどが魅力。

小柄な女性には窓側もオススメだが、男性なら通路側の座席がより快適。

新幹線グリーン車よりも上? ウィラー高速バス“史上最強の4列シート”を体験 座席めちゃくちゃ凝ってた!

 日本全国で高速バスを運行するウィラー・エクスプレスは、これまでも斬新な座席を投入してきました。すでに運行終了となっていますが、ブースごとに個室化された「コクーン」に乗車した際には、心底驚いたものです。そのウィラーのなかでいま、最新のスタンダードなシートが、4列の「プライム」です。

 大型バスは車幅が2.5mで、鉄道車両より30~40cm狭いです。そこに通路を隔てて2人掛け座席が並ぶ4列シートは、夜行バスのような長距離の乗車では窮屈に感じることは否めません。筆者がかつて4列夜行バスに乗った時は、隣席の乗客が女性であり仕切りもなかったので、絶対に触れまいと限界まで身体を通路側に寄せて過ごしたため、一睡もできませんでした。

 これに対し、「WILLER史上最強の4列シート」とうたう「プライム」では、どのような居住性が実現しているのでしょうか。

「プライム」は東京を起点とするなら、大阪・京都・神戸・滋賀・和歌山・愛知・三重・静岡・宮城・福島・新潟など、多くの路線が設定されています。大阪・京都・神戸からは広島行きが設定されています。今回は名古屋駅と東京を結ぶ「WT456便」に乗車しました。

 名古屋駅の集合場所は駅前広場の路上であり、各方面のバスの案内板が置かれたところで徒歩待機となります。出発直前に乗降場への移動指示があり、500mほど移動しました。やってきたバスの外観はいたって普通。ロゴなど目立つものはありません。

 車内に入ると、インパクトのある座席が出迎えました。各座席に、上から顔を覆うように下ろすことができる「カノピー(幌)」が設置されているのです。さらに、座席間には大型の仕切りがあり、座ると隣席はほぼ見えません。

「プライム」は、ウィラーが以前から運行してきた同様のシートをもつ「リラックス」をリニューアルしたものです。2023年に、カノピーの大型化など、より“プライベート感”を重視した設備に生まれ変わりました。

 さらに、座席間の仕切りの上部は可動式です。隣席の人が知り合いなら下げて、知り合いではないなら上げるといった選択ができます。

 座席間隔は91cmで、平均的なJR在来線特急よりやや狭い程度。リクライニング角度は130度とのことで、一般的な昼行用4列バスより傾きます。ブランケットも付属しています。座席幅は44cmで、東海道新幹線普通車の2人掛け席と同じです。

 一般的なバスの4列シートは座席幅42cmですから、限界まで広く取られているのですが、そのぶん通路幅は狭く、すれ違いは不可能。体格がよい人だと、引っかかるかもしれません(筆者は173cm、76kgの男性)。

 多くの乗りものでは、窓側の座席は通路側の座席より人気がありますが、「プライム」は明確に通路側の方が快適に感じます。窓側に座って、通路側の人がリクライニングやレッグレストを展開すると、出入りが大変ということもありますが、通路側には肘掛けがあり、それを含めると約50cmの幅があるからです。

 小柄な女性であれば、窓側でも快適だと思いますが、平均的な体格の男性であれば、通路側の座席をオススメします。