「男性体臭」投稿アナだけじゃない! 「路線・高速バス」の悪臭問題という、これまで語られなかったパンドラの箱

AI要約

フリーアナウンサーの川口ゆり氏がSNSに投稿した「夏場の男性の臭い」に関する意見が炎上し、所属事務所との契約解除が発表された。

公共交通、特に乗り合いバスにおける臭いの問題が取り上げられ、路線バス車内の臭いには車両から発生する臭いと乗客が発する臭いのふたつの種類がある。

臭いの原因や解決策、さまざまな臭いに関する問題が提起されている。

「男性体臭」投稿アナだけじゃない! 「路線・高速バス」の悪臭問題という、これまで語られなかったパンドラの箱

 先日、フリーアナウンサーの川口ゆり氏がSNSに投稿した「夏場の男性の臭い」に関する意見が炎上した。川口氏は8月8日に自身のXアカウントで

「ご事情あるなら本当にごめんなさいなんだけど。夏場の男性の臭いや不摂生してる方特有の体臭が苦手すぎる。常に清潔な状態でいたいので1日数回シャワー、汗拭きシート、制汗剤においては一年中使うのだけど、多くの男性がそれくらいであってほしい」

と投稿したが、この発言が物議を醸し、所属事務所は10日に彼女との契約を解除したと発表している。

 この件をきっかけに、臭いに関する問題が広く議論されるようになった。特に公共交通、特に乗り合いバスにおける臭いの問題は無視できない重要な課題だ。利用者の悩みとして、

・臭い

・温度

・耳障りな音

は常にトップ3に挙げられており、長時間乗車する高速バスや特急バスでは、臭いの問題がさらに深刻化することがある。この記事では、バス車内における臭いの問題について詳しく掘り下げ、その原因と解決策を探っていく。

 路線バス車内の臭いには大きく分けてふたつの種類がある。

 まず、「バス車両から発生する臭い」だ。夏によく問題となるのは、エアコンからの臭いである。車のエアコンはカビや雑菌が繁殖しやすく、特に

・20~30度の温度

・70%以上の湿度

・ダニやホコリ、さまざまな汚れ

があると発生しやすい。

 エアコンの冷却装置であるエバポレーター周辺には結露が生じ、カビの温床となる。さらに、路線バスのシートは多くの乗客が触れるため、湿気や汚れがたまりやすく、臭いの原因となることがある。また、排ガスの臭いが車内に入り込むことや、新車特有の樹脂製品から出る揮発性物質の臭いも問題だ。特にシートや内装の臭いが苦手だという人は少なくない。

 次に、「乗客が発する臭い」も大きな問題だ。私立大学准教授の筆者(西山敏樹、都市工学者)の研究室でもこの問題を調査したことがあるが、夏の暑い時期には汗や体臭が気になる人が多い。混雑時には口臭、特に

・喫煙者

・ニンニク

・ニラ

・コーヒー

などの臭いも指摘されることがある。

 また、化粧品や香水の臭いが苦手な人も多い。高速バスや特急バスでは、休憩施設で購入した食べ物の臭いが車内にこもり、不快に感じる人もいる。さらに、ペット同乗を許可している路線では、ペットアレルギーの利用者が独特の臭いで気分を悪くすることもある。このように、車内には多種多様な臭いが存在している。