中国輸出、6月は予想上回る前年比+8.6% 輸入は予想外の減少
[北京 12日 ロイター] - 中国税関総署が12日発表した6月の貿易統計によると、輸出は前年同月比8.6%増だった。製造業者が貿易相手国の関税発動を見越して輸出を前倒しした。
輸入は2.3%減と、予想外の減少となった。
ロイターがまとめた市場予想は輸出が8.0%増、輸入が2.8%増だった。5月の実績は輸出が7.6%増、輸入が1.8%増。
中国経済の回復がもたつく中、予想以上に好調な輸出は数少ない明るい材料になっているが、複数の貿易相手国が中国製品に対する追加関税を検討しており、輸出を圧迫するとみられる。
6月の貿易黒字は990億5000万ドル。市場予想は850億ドル、5月の実績は826億2000万ドルだった。
米政府は5月、電気自動車(EV)、半導体、医療用製品など中国からの輸入品に対する関税を大幅に引き上げると発表。中国製EVの関税を100%とする方針を示した。
欧州連合(EU)も先週、中国製EVに対し最大37.6%の追加関税を課す方針を確認した。
トルコも先月、中国車に対する40%の追加関税を発表。カナダも中国製EVに関税を課すか検討している。
アナリストは、中国当局が目先、追加の政策支援策を打ち出すと予想。中国共産党が今月15─18日に開催する第20期中央委員会第3回総会(3中総会)に注目している。