中国鉄鋼、迂回輸出対策を強化 メキシコ経由を警戒 米政権

AI要約

バイデン政権が、中国製鉄鋼・アルミニウムの迂回輸出に対する追加関税対策を強化

中国製品の米国市場流入を防ぎ、米国の労働者を保護するための措置を講じる

メキシコ経由の輸入でも域外製品は追加関税対象となり、影響が出る見込み

 【ワシントン時事】バイデン米政権は10日、中国製の鉄鋼・アルミニウムに関し、メキシコを経由して追加関税を回避する迂回(うかい)輸出への対策を強化すると発表した。

 生産地を証明する書類の追加提出を求める。貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の域外製品への追加関税を徹底し、安価な中国製品の流入を防ぐ。

 米政権は、巨額の補助金を背景にした中国の鉄鋼、アルミの過剰生産を問題視。ホワイトハウスのブレイナード国家経済会議(NEC)委員長は、記者団に「中国製品が関税を逃れて米市場に流入し、米国の労働者に損害を与えている。われわれは行動する」と説明した。

 トランプ前政権は、安全保障上の脅威を理由に、中国など外国製の鉄鋼に25%、アルミには10%の追加関税を発動したが、貿易協定を結ぶメキシコ、カナダは適用を除外。バイデン政権も維持している。

 今回の措置では、メキシコからの輸入であっても、貿易協定域外で生産された鉄鋼や、中国、ロシア産などのアルミを追加関税の対象とする。ホワイトハウスによると、メキシコから輸入される鉄鋼の10%超、アルミは6%程度が影響を受けるという。