韓国で「犬食」が突如タブーになったワケ…「完全に消えることはない」「地下へと潜るだけ」現地の人は言った

AI要約

韓国にも梅雨があるが、日本のように長くはなく雨量も少ない。梅雨明け後は暑さが厳しくなり、伝統食として犬肉料理が推奨されるが、最近法律で禁止されることになった。

禁止された犬食が完全に消えることはなく、地下での製造が続くだろうと考えられる。

朝鮮半島では犬肉が栄養価が高いとされ、主に夏に補身湯や栄養湯として食べられてきた。

韓国で「犬食」が突如タブーになったワケ…「完全に消えることはない」「地下へと潜るだけ」現地の人は言った

韓国にも梅雨はある。首都ソウルだと、例年6月後半に梅雨入りする。ただ、日本の梅雨ほどは長くなく、よって雨量もやや少ないという印象だ。

そして、梅雨が明けると当然ながら暑さが厳しくなり、昔から夏バテに見舞われる人が続出する。そのようなとき、滋養強壮にピッタリ…とされてきた伝統食がある。犬肉の料理だ。

長年にわたって国際的な議論をも巻き起こしてきた韓国の犬食だが、今年、ついに法律で禁じることになったというニュースに触れた読者も多いと思う。

先の総選挙で与党が大敗するなど、発足以来ずっと支持率が低迷している尹錫悦政権だが、犬食禁止を決めたこと(だけ?)は、歴史に名を残しそうだ。

しかし、最近、韓国の知人はこう言い切った。

「犬を食べる伝統が完全に消えることはありませんよ。法で禁じられたことによって、地下へ、地下へと潜るだけでしょう。もちろん全体として消費量は大きく減りますよ。でも、人間の『食』に対するこだわりは強いものです」

ついに決着がついたと思っていた、この犬をめぐる論争。でも、「消えることはない」と考える韓国人は一定程度いるようだ。

由来をたどると、朝鮮半島では犬の肉は栄養価が高いとされ、日本で「土用の丑の日」に鰻を食べるのと似た感覚で夏場に多く食べられてきた。

犬の丸焼きが食卓に登場するわけではない。最もポピュラーなのは「補身湯(ポシンタン)」あるいは「栄養湯(ヨンヤンタン)と呼ばれる鍋料理。「補身」「栄養」という名前からも、「土用の丑の日」に通じる位置づけであることが分かる。

また、食用に飼育されている犬種は絞られていて、「黄色い犬」を意味する「ヌロンイ」という朝鮮半島原産の犬である。

一方、伝統的な食文化とはいっても、昔から女性は敬遠する傾向が強い。食すのはもっぱら中高年の男性陣で、それは「体力≒精力が向上する」という謳い文句に惹かれてきたことが大きい。

「補身湯」が好物だと公言する韓国の友人は、「食べたら体がポカポカして、汗も普段とは違う粘り気があるんですよ」と実に嬉しそうに効能を語っていたが、まあ、感想は人それぞれだ。