英中銀ピル氏、インフレ懸念をあらためて示唆-利下げ観測後退

AI要約

イギリス中央銀行のチーフエコノミストは、利下げに関していつ実施するかが重要であり、物価・賃金上昇圧力への懸念を示唆している。

市場では利下げが実施される可能性が低くなり、次回の政策判断までデータを注視する姿勢を示している。

トレーダーが織り込む8月の利下げの確率は50%未満に低下している。

英中銀ピル氏、インフレ懸念をあらためて示唆-利下げ観測後退

(ブルームバーグ): イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏は、利下げについて「実施するかよりも、いつ実施するのか」が問題だとの考えを示した。その上で根強い物価・賃金上昇圧力に対する懸念をあらためて示唆した。

利下げにより前向きな姿勢を示す政策当局者もいる中で、ピル氏が長引くインフレに対する懸念を引き続き示唆すると、市場では来月にも利下げが実施されるとの見方は後退した。

講演原稿によればピル氏は、「英国では引き続き根強いインフレがあるということに異論を挟むのは難しい」と述べ、「金融政策委員会(MPC)が次回8月1日に政策判断を明らかにするまでに、われわれはより多くのデータを入手する。しかし1ー2件のデータがわれわれの判断にどこまで反映されるかについては現実的になる必要がある」と続けた。

トレーダーが織り込む8月の0.25ポイント利下げの確率は50%未満に低下した。

原題:BOE’s Pill Signals Lingering Concerns on Inflation Persistence

(抜粋)

--取材協力:Greg Ritchie.

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