中国主席、グローバルサウスの力強める必要-「米国覇権」を暗に批判

AI要約

中国の習近平主席は、グローバルサウスの発言力強化を提唱し、米国主導の世界秩序に挑戦する姿勢を示した。

習氏は途上国の役割強調し、世界平和と協力を訴え、米国の覇権主義に対抗している。

中国は途上国との協力強化に意欲を示し、新興国の枠組みであるBRICSの勢力拡大を追求している。

(ブルームバーグ): 中国の習近平国家主席は28日、国際問題でグローバルサウス(新興・途上国)がより大きな発言力を持つべきだとの考えを示し、米国主導の世界秩序に挑む姿勢をあらためて示した。

習氏は北京で開催された中国が「平和共存五原則」を策定してから70周年を記念するイベントで、途上国は「人類が未来を共有する共同体の構築を推進する最前線に立つべきだ」と語った。

中国政府がオンライン上に掲載した発言記録によれば、習氏は途上国には「平和を安定させる力となり、世界中の紛争解決に貢献するために協力する必要がある」と指摘。

暗に米国を批判し、世界が「腕力のある者の言うことを聞くようなことを決して許してはならない」と主張した。

こうした発言は習氏が共産党総書記に就任して以来約12年間、中国の外交官たちがよく口にする「米国覇権」から脱却するため、世界的な統治システムを刷新しようとしてきた中国の取り組みを強調するもの。その中で中国が重視しているのが、ロシアとの友好関係強化と中国やロシアなどから成る新興国の枠組み「BRICS」の勢力拡大だ。

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習氏はこの日の演説で、中国にはグローバルサウスとされる各国との自由貿易協定について話し合う用意があるとし、「グローバルサウス調査センター」を開設し、途上国の人々により多くの教育機会を提供すると表明した。

また、デカップリング(切り離し)を求める動きは「歴史の流れに逆行し、国際社会共通の利益を損なうだけだ」とも述べ、米国との協力が必要であることも理解していると示唆した。

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原題:Xi Calls for Global South to Play Bigger Role on World Stage (1)(抜粋)

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