日韓が通貨スワップ協定の強化を検討へ、通貨安に「深刻な懸念共有」

AI要約

日本と韓国はインフレ圧力を高める持続的な円安とウォン安に対応するため、通貨スワップ協定を強化する方法を探ることで合意

両国の財務当局者が経済・金融問題を協議し、スワップ協定を通じて両国の金融安定を強化する方針

為替相場の過度な変動を抑えるため、必要であれば介入する意向を示し、ウォン取引時間延長や国債組み入れを歓迎

(ブルームバーグ): 日本と韓国は、輸入コストを通じてインフレ圧力を高める持続的な円安とウォン安に対応するため、通貨スワップ協定を強化する方法を探ることで合意した。

両国の財務当局者が経済・金融問題を協議する「日韓財務対話」が25日にソウルで開かれた。韓国は、鈴木俊一財務相と崔相穆経済副首相兼企画財政相の会談後に声明を発表。昨年締結された100億ドル(約1兆5900億円)の通貨スワップ協定が両国の金融安定を強化すると指摘した。日韓は東京で昨年開いた財務対話でスワップ協定を8年ぶりに再開することで合意していた。

25日の声明では、スワップ協定の具体的な強化方法には言及していないが、両相は「特に両国通貨の下落に対する深刻な懸念を共有し、適切な措置を引き続き講じていくことで合意した」としている。

円とウォンは今年に入り、世界で最もパフォーマンスの悪い通貨の一角を占める。米連邦準備制度による利下げ期待が後退し、金利差がドル買いを後押ししているためだ。

日韓当局は、為替相場の過度な変動を抑えるために必要であれば介入すると繰り返し警告してきた。神田真人財務官は24日、為替介入は「24時間いつでも準備できるようにしている」と述べ、市場をけん制した。

円は25日午後、1ドル=159円50銭近辺で取引されている。

韓国企画財政省の声明によると、日本側は、7月1日からウォンの取引時間を延長する外為市場改革やFTSE世界国債インデックスへの韓国国債組み入れを目指す取り組みを歓迎した。韓国当局は、同国の株式と債券を世界の先進国インデックスに組み入れることを目指し、海外投資家への働きかけ強化と市場アクセスの改善努力を続けている。

原題:South Korea, Japan to Seek Ways to Reinforce Currency Swap Deal(抜粋)

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