韓国の外為当局、国民年金の外国為替スワップ増額…「為替レート対応余力拡大」
韓国の外国為替当局と国民年金の外国為替スワップ取引限度が増額される。国民年金は500億ドルまで韓銀からドルを借りて調達できることで、為替レート急騰に対応する余力を高める。
外国為替当局は、この措置により外国為替市場の変動性に対応する経験を持ち、国民年金も為替変動性を緩和し、外貨資金管理を効率化できると説明している。
外国為替スワップ取引は、ウォンードル為替レートの急騰時に有効であり、一時的な外国為替保有額の影響があるものの、満期には全額ドルに還元される。
韓国の外国為替当局と国民年金の外国為替スワップ取引限度が、従来の350億ドルから500億ドルに増額される。国民年金の海外投資用ドル買い需要を外貨保有高から吸収し、為替レート急騰に対応する余力をさらに高める趣旨だ。
韓国の外国為替当局である企画財政部と韓国銀行（韓銀）は21日、共同報道資料を通じて、国民年金公団とこのように合意したと明らかにした。期限は今年末までだ。外国為替当局と国民年金は2022年9月、外国為替スワップ取引を結んだ。このスワップで国民年金は、海外資産投資に乗り出す際にドルをソウル外国為替市場で買わず、500億ドルを限度として韓銀（外国為替保有額）から借りて調達できる。この場合、韓国の国内外国為替市場でそれだけのドル買い需要が起きず、ウォン安を防御する手段になる。
外国為替当局は「外国為替スワップ取引を通じて外国為替市場の変動性拡大に効果的に対応した経験と国民年金の海外投資が持続する点などを考慮し、両機関の対応余力を強化するための措置」と説明した。国民年金も海外投資に伴う為替変動性を緩和し、外貨資金管理を効率化できる。
外国為替当局は4月、ウォンードル為替レートが取引中に1400ウォンを記録するなど急騰傾向を見せる時、外国為替スワップ取引を活用した経緯がある。外国為替当局の関係者は「スワップ取引で外国為替保有額が減るが、満期（6カ月または1年）になれば全額ドルに還元されるため、外国為替保有額に及ぼす影響は一時的」と話した。
キム・フェスン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
