AIブーム終焉ほど遠く、ブラックロックやBNP含め株高継続を予想

AI要約

人工知能(AI)ブームは終わりが見えず、株式市場は最高値を更新し続けている。マネーマネジャーは、AIが今年後半の重要テーマになると予測している。

大型株やエヌビディアなどが注目を集める中、公益やインフラ関連企業もAIの恩恵を受けつつ成長している。市場は集中しているが、AI革命の特性として受け入れられている。

世界の株式が今後上昇する可能性が高く、多くの投資家が割高な水準でも株を買う意向。企業利益が増加し、株価の伸びに期待が高まっている。

(ブルームバーグ): 人工知能(AI)ブームの終焉(しゅうえん)にはほど遠く、世界の株式を最高値に押し上げる勢いは止まらない。ブルームバーグが取材したマネーマネジャーはこうした見方を示した。

ブラックロックやBNPパリバ・アセット・マネジメントなどは、AIが今年後半の重要テーマになるとみている。

エヌビディアのような大型株が引き続き最前線に立つとの予想が多い一方で、公益やインフラ関連といったAIの二次的、三次的な恩恵を受ける企業が主導権を握るとの見方もある。だが、AIブームが失速することはないとの点では全員の意見が一致している。

ブラックロック・インベストメント・インスティテュートのグローバル・チーフ投資ストラテジスト、ウェイ・リー氏は「AIが下期の主要テーマになると予想している」と指摘。「一極集中の株高だが、これは市場の欠点ではなく、AI革命の特徴だ。集中すること自体は懸念する理由にはならない」と述べた。

ブルームバーグがインタビューした十数社の大半が、世界の株式が今後6カ月で最大9%上昇し、米国株がアウトパフォームする可能性が高いと予想。そのため、多くが現在の割高な水準でも株を買うと述べた。

ラザードのチーフ市場ストラテジスト、ロナルド・テンプル氏は「株価がここから上値を伸ばす余地はある」と指摘。「ここ数カ月の押し目における下げ幅は極めて小さい。背景には、市場への投入機会を探る待機資金の存在がある。そのため押し目を待つのは実のところ、悪い戦略かもしれない」と続けた。

焦点は近く企業利益に移る。S&P500種株価指数の構成企業の1株当たり利益は今後1年で過去最高を記録するとアナリストは見込んでおり、期待値は非常に高い。4-6月(第2四半期)の決算シーズンは12日のJPモルガン・チェースを皮切りに始まる。

BNPパリバ・アセット・マネジメントのシニア・クロスアセット・ストラテジスト、ソフィー・フイン氏は「株式全般について前向きだ」と話す。「インフレは世界的にラストワンマイルの状況にあり、株価収益率(PER)、利益の伸び双方の面で株式にとってプラスに作用するはずだ」という。