1ドル500円時代到来へ…元モルガン銀行東京支店長が日本に緊急警鐘!「日銀・政府は一番やっちゃいけないことをやっている」

AI要約

政府債務が増加し続けており、日本は8年連続で過去最大の借金額を記録している。

黒田日銀総裁の異次元緩和政策は財政破綻を回避するための一時的な処置であり、貨幣価値の暴落リスクがある。

金本位制が放棄された1980年以降のハイパーインフレは財政ファイナンスに起因している事例が多い。

1ドル500円時代到来へ…元モルガン銀行東京支店長が日本に緊急警鐘!「日銀・政府は一番やっちゃいけないことをやっている」

 ドル円相場は、4月29日に1ドル160円をつけ、日本中を震撼させた。しかし「まだまだ、円安は止まりませんよ」というのは、元モルガン銀行東京支店長の藤巻健史氏だ。「1ドル500円になってもおかしくありません」という。なぜなのか。みんかぶプレミアム特集「クライシス円安」第5回。

――政府債務が増えていますがどのようにお考えでしょうか。

藤巻健史

 政府債務はずっと増えていますよね。今年の3月末時点で1297兆1615億円と、8年連続で過去最大を更新しています。例えば1987年に比べて4倍近くも国の借金は増えています。問題は、2012年あたりにはすでに国の借金が多くなっていて日本は財政破綻しているんじゃないかと思うほどでしたが、2013年に黒田さんが総裁になり、財政破綻という危機を先送りにするために知恵をしぼり始めてしまったところにあると思います。

 国にお金がないとなれば、税金で集めるか、新しく紙幣を刷ってまかなうという2者択一です。昔は戦争で他国からぶんどってくるという方法を選択した国もあったようですが、これは当然のことながらとんでもない話。異次元緩和というのは日銀が国債を買って紙幣を発行して財源を増やすといった方法で財政破綻を回避したわけです。増税ができないから回避したということです。

 例えば、紙幣を刷って国会議員としての給料を払ってあげましょうなどといったことを始めてしまう、これは「財政ファイナンス」と言われますが、どういうことかと言いますと、政府の借金を中央銀行が紙幣を刷って賄うということです。

 そういうことをしてしまうと、紙幣の価値が暴落してしまうことは歴史の教えですよね。それを今まさに展開している状況と言えます。貨幣量を制限されていた金本位制が放棄された1980年以降のハイパーインフレは、こういったことが原因で起こっているケースがほとんどです。

 私は主流派の金融論をずっと学んできたので、それに基づいてトレーディングもしてきましたし、人に教えたりもしてきた中で、やってはいけないことの一番目に書いてあることを日銀はしているんですよ。それも過激に。