日米首脳会談　同盟の抑止力・対処力強化で一致　バイデン氏、岸田氏の指導力を称賛

【ウィルミントン（東部デラウェア州）＝坂本一之】バイデン米大統領は21日、東部デラウェア州ウィルミントンの自宅に岸田文雄首相を招き会談した。日米で「同盟の抑止力・対処力の向上」を図ることで一致し、「確固たるグローバル・パートナー」として国際的な課題に共に取り組んでいくことを確認した。

バイデン氏は、日本の世界における役割や防衛力の強化を図った岸田首相の「勇気ある指導力」を称賛。米軍と自衛隊の指揮・統制や演習に関する連携強化、防衛産業の協力拡大に謝意を述べた。

両首脳は「台湾海峡の平和と安定の重要性」を確認し、「力による一方的な現状変更の試み」に対する反対を表明。台湾統一を掲げる中国を牽制（けんせい）した。

また、中国が南シナ海で領有権を争うフィリピンの船舶に対して危険行為を続けていることに関し「中国の威圧的や不安定化を招く行為」への懸念を示した。

また、中国を念頭に「人工知能（AI）や半導体など重要な新興技術の開発と保護」を進め、経済的威圧への対処力を高める。

岸田首相は先進7カ国（G7）や日米豪印、日米韓、日米比といった「同志国連携を通じて自由で開かれたインド太平洋をさらに発展させていく」ことを呼び掛けた。「バイデン氏の力強いリーダーシップにより日米同盟はかつてなく強固になった」と語った。

バイデン氏は、ロシアの侵略を受けるウクライナへの日本の支援に感謝を表明。昨年8月に大統領山荘キャンプデービッドで開いた日米韓首脳会談を「新たな時代の幕開け」と指摘し、同会談の開催につながった岸田首相の日韓関係改善への取り組みをたたえた。