「キングドル」終わり「円キャリー清算」開始か…グローバルマネームーブに注目

AI要約

米国連邦準備制度(FRB)が政策金利を引き下げ、グローバル金融市場に影響を与えた。日本円でのキャリートレードが変化し始め、円高ドル安の動きが見られる。

市場は日本銀行の金利決定を注視し、今後のマネームーブに大きな影響を与える可能性がある。

日銀の金利政策の動向や発言に対して市場の反応が分かれており、注意が必要だ。

米国連邦準備制度(FRB)が「ビッグカット(0.5%政策金利引き下げ)」に踏み切り、、グローバル資本の「マネームーブ」も本格的に始まった。米国に流入した投資資金が抜け出る可能性からグローバル金融市場の変動性を懸念する声も多い。ただ、米国との金利差によるドル高負担はやや緩和したという評価だ。

市場が最も注目している「マネームーブ」は「円キャリートレード(低金利で日本円を借りて金利が高い他国の資産に投資すること)」の清算だ。ゼロ水準の日本の低い金利で借りた日本円は、米国のような高金利国家の資産の「金脈」の役割を担ってきた。

しかし日本銀行(日銀)が最近ゼロ金利から脱出したのに続き、米国のビッグカットで両国の金利差が縮まり、日本円で海外資産を買う投資法の魅力も落ち始めた。

実際、日本円資金の行方の目安となる為替レートは最近、円高ドル安に動いている。わずか2カ月前まで1ドル=160円台と「スーパー円安」だったが、最近1ドル=140円まで円高ドル安が進んだ。これは今後の米国と日本の金利差縮小を市場がすでに反映し始めたと解釈できる。円高ドル安になるほど円キャリートレード清算の可能性も高まる。

ただ、19日は円安ドル高に動いた。同日、パウエルFRB議長が大幅な政策金利引き下げにもかかわらず、利下げを急がないと発言するなどタカ派的な姿を見せたからだ。

20日に予定された日銀の金利決定が今後のグローバルマネームーブの行方に大きな影響を与えるとみられる。日銀が市場の予想を覆して金利を上げたり、今後の通貨政策方向についてさらに鷹派的な態度を取る場合、先月の「ブラックマンデー」のような状況の再現が考えられるからだ。ブルームバーグ通信は「日銀の植田和男総裁は市場に不安を与えずに投資家に近づく金利引き上げを確実に認識させる繊細な課題に直面することになるだろう」と伝えた。