国際原油価格の急騰、1カ月で15%差…2つの原因が重なった

AI要約

国際原油価格が急騰している。西部テキサス産原油(WTI)基準で7月以降の価格差が15%になっている。景気低迷による需要減に加え、中東戦争の懸念も影響している。

9月に入り、国際原油価格は再び下落トレンドに転じている。ニューヨーク商業取引所でWTI原油が1.71ドル下落し、ブレント原油も値を下げている。

中東地域での緊張感が高まり、イスラエルとパレスチナの衝突が懸念されていることが、原油価格の上昇につながった。

国際原油価格の急騰、1カ月で15%差…2つの原因が重なった

国際原油価格が急騰している。急騰と急落を繰り返しながら、西部テキサス産原油(WTI)基準で7月以降の最高値と最安値の価格差は15%に及ぶ。国際的景気鈍化によって米国と中国の原油需要が減少するという懸念から値下がりしたが、中東発戦争の憂慮のため値上がりするという形だ。

◆国際原油価格、再び下落に転換

13日(現地時間)、ニューヨーク商業取引所で9月引き渡し分のWTI原油は、前取引日より1.71ドル(2.14%)下落し、1バレル当たり78.35ドルで取引を終えた。同日、ブレント原油先物は1.61ドル(1.96%)減の1バレル当たり80.69ドルで取引を終えた。前日とは全く違う方向だ。前日まではWTI原油は前取引日より4.19%高い80.06ドルを記録したが、一日で急落した。

先月初めまでは、WTI原油は1バレル当たり83.88ドル(7月3日)で取引されていた。その後、80ドル台を行き来していた国際原油価格は先月末から本格的に下落し始めた。米国の景気低迷の懸念が提起され、需要が減るという見通しのためだ。下落傾向が続き、5日にはWTI原油が1バレル当り72.94ドルまで下落した。5日はKOSPI(韓国総合株価指数)と日経指数がそれぞれ前取引日より8.77%、12.4%下落した、いわゆるアジア版「ブラックマンデー」の日だ。

◆中東情勢は原油価格の上方圧力作用

状況が変わったのは中東地域で緊張感が高まった後だ。パレスチナ武装勢力のハマスが強硬派のヤヒヤ・シンワル氏を新しい最高指導者に選出し、イスラエルはヤヒヤ・シンワル氏を排除すると宣言した。さらに、イスラエルが先月末、イランでハマスの最高指導者を殺害したと見たイランが報復攻撃に出るとの見方が出て、戦争拡大の可能性が高まった。

このため、5日に72ドル台まで下がったWTI原油価格は1週間上昇し続け、80ドル台を記録した。12日、ブレント原油は前取引日より2.64ドル(3.3%)値上がりしたが、今年に入って最も高い上昇率だ。そのような国際原油価格が前日再び上昇した。景気低迷の懸念と中東戦争の緊張感の高まりという2つの要因が存在し、原油価格が騰落を繰り返しているという分析が出ている。国際エネルギー機関(IEA)が世界市場で石油が供給過剰に転じるという予想を出し、中東不安で熱くなった原油価格に冷水を注いだ影響だ。

NH投資証券のファン・ビョンジン研究員も「需要の側面では米国と中国を中心に拡散する景気低迷の恐怖が短期原油価格の下方圧力を加重しており、供給の側面では不確実性を高める中東戦争の危険が拡散する様相」と述べた。