米FRB、インフレ低下続けば利下げ必要に=ボウマン理事

AI要約

米連邦準備理事会(FRB)のボウマン理事は、インフレ率が目標の2%を上回り、利下げの可能性を示唆しながらも、最近の進展を歓迎している。

インフレ率が低下すれば利下げの可能性が高まるが、単一のデータに過剰に反応することは避けるべきだと述べた。

ボウマン氏は失業率の上昇や地政学的リスクにも言及し、物価安定と雇用最大化のバランスを重視している。

米FRB、インフレ低下続けば利下げ必要に=ボウマン理事

[10日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のボウマン理事は10日、インフレ率について、目標の2%を「不快なほど」上回っており、上振れリスクがあるとしながらも、過去数カ月に「歓迎すべき」さらなる進展が見られたと指摘した。普段のタカ派的な姿勢を若干弱めた。

講演準備原稿で「今後発表されるデータで、インフレ率が持続的に2%の目標に向かっていることが引き続き示されれば、フェデラルファンド金利(FF金利)を徐々に引き下げ、金融政策が経済活動や雇用に対して過度に制約的になるのを防ぐことが適切になるだろう」と述べた。

その上で、「単一のデータに過剰反応してインフレ率低下の継続的な進展を損なわないよう、忍耐強さが必要だ」と指摘した。

FRBは先月末、FF金利の誘導目標を5.25─5.50%に据え置いたが、インフレが引き続き鈍化すれば、早ければ9月にも利下げを実施する可能性を示唆した。

ボウマン理事は、来月の利下げの可能性を排除しなかった。

FRBは9月会合までにさらなる経済データを入手し、最近の金融市場の変動が経済見通しにどのような影響を与えるかについての見識を深めるだろうと指摘した。

また、必要であれば今後利上げする用意があるという、これまでの発言を繰り返さなかった。

政策金利を据え置いたままで、インフレ率が低下し続けるという自身の基本シナリオを維持したが、今年の物価圧力が昨年ほど急速に緩和するかどうかについては懐疑的な見方を示した。

物価安定と雇用最大化というFRBの2つの責務に対するリスクはより均衡しつつあるとした上で、インフレをより懸念していることを示唆した。

ボウマン氏は7月の失業率が4.3%と約3年ぶりの高水準に上昇したことについて、「労働市場の減速度合いを誇張している可能性がある」と述べ、解雇が低水準であることや、ハリケーン「ベリル」が一時的に雇用の伸びを鈍らせた可能性に言及した。

一方、地政学的緊張などのリスクが物価をさらに押し上げる恐れがあると指摘。「労働市場の大幅な鈍化リスクに目を配りしつつ、物価安定の任務に依然として細心の注意を払う必要がある」と述べた。