米CPI、40カ月ぶり2%台…9月に利下げか

AI要約

米国の消費者物価指数(CPI)上昇率が3年4カ月ぶりに2%台となり、FRBは9月に政策金利を引き下げる可能性が高まっている。

CPI上昇率が2%台となったのは2021年3月以来で、変動性の高いエネルギーと食料品を除いたコアCPIも上昇している。

市場では、米経済の軟着陸への期待が高まり、金融市場では政策金利の大幅な引き下げも予想されている。

米国の消費者物価指数(CPI)上昇率が3年4カ月ぶりに2%台となった。米連邦準備制度理事会(FRB)としては物価目標値(2%)に近づいたことで9月には政策金利を引き下げる可能性がある、という市場の期待も高まっている。14日(現地時間)、米労働統計局は7月のCPIが前年同月比2.9%上昇したと明らかにした。6月の上昇率のほか、市場の予想値(3.0%)を小幅下回った。

CPI上昇率が2%台となったのは2021年3月(2.6%)以来。前月比では0.2%上昇した。

変動性が大きいエネルギーと食料品を除いたコアCPIの上昇率は前年同月比3.2%、前月比0.2%の上昇で、市場の予想(それぞれ3.2%、0.2%)通りだった。

これを受け、FRBの9月の利下げの可能性はさらに高まった。前日に発表された7月の生産者物価指数(PPI)も前年比2.2%の上昇で、6月(2.7%)を下回った。ハリス・ファイナンシャル・グループのジェイミー・コックス取締役は「こうしたデータが引き続き出てくる場合、FRBは今年追加で利下げをする余地が十分にある」と述べた。

米国の経済成長率が4-6月期に2.8%(年率)となった中、物価上昇率の鈍化が続くのは、米経済が景気の沈滞なく軟着陸に成功するという市場の期待を高めている。金融市場では政策金利ビッグカット(0.50%引き下げ)予想も出ている。

この日のCPI発表直後、CMEのFedWatch(フェドウォッチ)は9月に政策金利が0.25%引き下げられる確率を58.5%と予想した。ビッグカットの確率は41.5%だった。

市場はもう雇用指標に目を向けている。今月初めに米労働省が発表した7月の雇用報告書が市場の予想とは違い、雇用市場が急速に冷え込んでいるという懸念が強まった。非農業雇用者数が前月比11万4000人増と予想を大きく下回り、失業率が4.3%と上昇しているからだ。

米労働省は来月初めに8月の雇用報告書を発表する。雇用市場が急速に冷え込む兆候が表れれば、景気沈滞の懸念にまた強まるとみられる。