ウクライナ、断交発表のマリを「短絡的」と非難 反政府勢力支援めぐり

AI要約

マリはウクライナの支援を受けたとして断交を発表。ウクライナ政府はこれを否定。

マリの武装組織が政府軍とロシアの民間軍事会社との衝突で多数の死者を出した一方で、外交関係が悪化。

マリの軍事指導部はフランスとの関係を断ちロシアに接近、分離派やイスラム過激派組織との闘いを続けている。

ウクライナ、断交発表のマリを「短絡的」と非難 反政府勢力支援めぐり

【AFP=時事】西アフリカのマリは4日、国内の反政府武装勢力をウクライナが支援したとし、同国との断交を発表した。これに対しウクライナ政府は5日、「短絡的」だと反発した。

 マリの遊牧民トゥアレグ主導の武装組織は先月、北部での3日間にわたる激しい戦闘の末、政府軍兵士47人とロシアの民間軍事会社ワグネル(Wagner)ワグネルの戦闘員84人を殺害したと明かした。

 ロシアと緊密な関係にあるマリは、ウクライナが武装勢力に情報を提供したと主張。4日、同国との外交関係を「直ちに」断絶すると表明した。

 これに対しウクライナ外務省は5日、アフリカ大陸におけるロシアの軍事的影響力について批判する声明の中で、マリの断交は「短絡的で軽率」であり、「遺憾」だと述べた。

 また、マリが「事実と状況を十分に調査せず、ウクライナ関与の証拠を示すことなく」断交を決めたと指摘した。

 ウクライナ国営メディアは、同国国防省情報総局(GUR)のアンドリー・ユソフ(Andriy Yusov)報道官が、「(マリの)反政府勢力は必要な情報をすべて受け取った」と述べたと報じた。詳細については伝えていない。

 2020年のクーデターで権力を掌握したマリの軍事指導部は、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)やイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」とつながりがある分離派や聖戦主義の武装勢力から領土全体を奪還することを目指している。

 軍事政権は旧宗主国フランスとの伝統的な関係を断ち、ロシアに接近している。【翻訳編集】 AFPBB News