米長官「民意反映せず」 国際社会、選管発表に疑念 ベネズエラ大統領選

AI要約

南米ベネズエラで28日に行われた大統領選挙で、選挙管理委員会がマドゥロ大統領の勝利を発表し、疑念の声が上がる中、各国からの反応が分かれている。

米国や周辺諸国からは選挙結果に疑義が持たれており、民意の反映と選挙の透明性が求められている一方、キューバやロシア、中国などはマドゥロ政権の勝利を祝福している。

ベネズエラと周辺諸国との関係が悪化する可能性もあるなか、選挙に対するさまざまな反応が示されている。

 南米ベネズエラで28日に行われた大統領選挙で、選管がマドゥロ大統領の勝利を発表したことについて、各国から疑念の声が上がっている。

 ブリンケン米国務長官は「民意が反映されていない結果が発表されたことを深く憂慮している」と表明。選挙結果を巡り、ベネズエラと周辺諸国との対立が深まる可能性もある。

 ブリンケン氏は29日、東京で開かれた日米豪印の枠組み「クアッド」外相会合後の記者会見で、自ら切り出す形で選管発表に言及。「選管当局が野党陣営や独立した選挙監視団と迅速に情報を共有し、集計作業の詳細を公表することが重要だ」と指摘した。

 ロイター通信によると、南米チリのボリッチ大統領は「信じ難い結果だったということをマドゥロ政権は受け入れるべきだ」と要求。ペルー政府もマドゥロ氏の勝利宣言に抗議し、駐ベネズエラ大使を召還する準備に入った。

 一方、マドゥロ政権と同じく米国などと対立するキューバのディアスカネル大統領はX(旧ツイッター)で、マドゥロ氏の「歴史的勝利」だとたたえた。ロシアのプーチン大統領は祝福のメッセージを発表。中国外務省の林剣副報道局長も「円滑な選挙の実施」に祝意を表した。