ベネズエラ大統領選 マドゥロ政権下で公正な選挙への懸念高まる

AI要約

南米ベネズエラで28日、大統領選が実施される。独裁色を強め、3選を目指す反米左派マドゥロ大統領と、野党連合の統一候補で元外交官のゴンサレス氏の一騎打ちとなっている。

世論調査ではゴンサレス氏が優勢だが、マドゥロ政権下で公正な選挙が実施されるか懸念が高まっている。

大統領選には10人の候補が立ち、混乱する政治と経済により700万人以上が国外に逃れる中、7万人近くの在外投票のみが可能。

ベネズエラ大統領選 マドゥロ政権下で公正な選挙への懸念高まる

 南米ベネズエラで28日、大統領選が実施される。独裁色を強め、3選を目指す反米左派マドゥロ大統領(61)と、野党連合の統一候補で元外交官のゴンサレス氏(74)の事実上の一騎打ちとなっている。

 世論調査ではゴンサレス氏が優勢だが、権力の集中を進めるマドゥロ政権下で、公正な選挙が実施されるか懸念が高まっている。

 大統領選には10人が立候補した。有権者は約2139万人。ベネズエラではマドゥロ政権下で政治と経済が混乱し、人口の4分の1近くに当たる700万人以上が国外に逃れた。海外在住者のうち、在外投票できるのは7万人近くにとどまる。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、背景には、ベネズエラ政府が審査を厳しくしたり、一部の在留資格を認めなかったりしたことがある。多くの海外在住者がマドゥロ氏に投票しないと予想されることから、政権が意図的に投票資格を与えていないとの見方もある。

 米国から経済制裁を科される中で、マドゥロ政権は中露やイランなどとの関係を強化してきた。一方、ゴンサレス氏は米国との関係改善に意欲を示している。

 事前の世論調査で優勢だったゴンザレス氏が当選すれば、反米を基調としてきたベネズエラの外交政策が大きく変わる可能性がある。【カラカス中村聡也】