中国が月の試料から水分子を発見 土壌からは初めて、科学誌に掲載へ

AI要約

2020年に中国の無人探査機「嫦娥5号」が月から持ち帰った試料から、水の分子が初めて発見されたと報じられる。

中国科学院の研究チームは、水分子とアンモニウムを含んだ未知の鉱物を発見し、その構造が地球上の火山活動と類似していることが報告された。

今回の発見により、月面に広く水分子が存在する可能性が示唆され、将来の月資源の開発に新たな可能性が開かれることとなる。

中国が月の試料から水分子を発見 土壌からは初めて、科学誌に掲載へ

 中国国営中央テレビは23日、2020年に無人探査機「嫦娥(じょうが)5号」が月から持ち帰った試料の土壌から、水の分子が初めて発見されたと報じた。近く科学誌ネイチャー・アストロノミーのオンライン版に掲載されるという。

 報道によると、発見したのは中国科学院物理研究所の陳小龍研究員らのチーム。試料から水分子とアンモニウムを多く含んだ未知の鉱物を発見した。鉱物の構造が地球上の火山活動で形成される鉱物と似ており、月面の水の起源を解明する新たな手がかりとなるという。

 これまで月の極付近に水資源が凍っているのではないかと指摘されていたが、嫦娥5号が着陸したのは太陽光で照らされた地点だった。

 今回の発見は化合物として水分子が月面に広く存在する可能性を示しているといい、国営中央テレビは「将来の月資源の開発と利用に新たな可能性を開く」としている。(上海=小早川遥平)