韓国現大統領夫人では初めて検察出頭…尹大統領、リスク減らして国政まい進か

AI要約

大統領夫人が疑惑で検察に出頭し、12時間にわたる対面調査を受けた。これは憲政史上初めてのことであり、政治的な争点となっている。

大統領室は捜査に介入せず慎重な態度を保ち、金氏の問題を法律代理人に任せた。個人の問題であり、大統領室の関与は避けられている。

金氏の検査は政治的な観点から時期を選定したものと考えられ、与党の代表選や尹大統領の支持率向上にも影響があるようだ。

韓国現大統領夫人では初めて検察出頭…尹大統領、リスク減らして国政まい進か

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の夫人・金建希(キム・ゴンヒ)氏が土曜日の20日、ドイツモータース株価操作およびブランド品バック授受疑惑に関連してソウル中央地検に出頭し、12時間ほど対面調査を受けた。現大統領の配偶者が個人の不正容疑で捜査機関に召喚されて調査を受けたのは憲政史上初めて。政界は金氏が電撃出頭した背景について、尹大統領と与党に圧力となってきた「金夫人リスク」を一部取り払おうという意図があるとみている。任期の折返し点を控えた尹錫悦政権が国政運営推進動力を確保するための必要条件を満たそうとする動きということだ。

初めてのことであり政治争点であるだけに、大統領室は捜査介入という声に巻き込まれないよう慎重な態度を維持した。大統領室の関係者は21日、記者らに対し「検察が捜査中の事案について大統領室が直接言及するのは不適切」とし「(金氏の)法律代理人が立場を明らかにすることで整理された」と伝えた。この関係者は金氏が検察にブランド品バックを提出したかについて「法律代理人側で確認が必要なこと」とし、金氏の召喚を大統領室がいつ知ったのかについても「適切な時点に知った」とだけ答えた。大統領室の関係者は「金氏個人の問題であり、大統領室の参謀と相談する問題ではない」とし「大統領室では言及する事項がない」と強調した。

しかし与党では大統領室が早くから金氏の召喚に備えてきたという声が出ている。先月中旬の中央アジア3カ国訪問を前後に検察の召喚要求が迫ったという見方が強まり、このため金氏も公開日程をできるだけ減らして召喚の可能性に備えたということだ。金氏は北大西洋条約機構(NATO)首脳会議出席のため8-11日に尹大統領の米国訪問に同行したこと以外には、先月26日に国立精神健康センターで開催された「回復と慰労のための対話」懇談会に出席したのが公開日程のすべてだ。韓米首脳が「核作戦指針」を初めて文書化した米国訪問を終えた後、自ら検察に出頭する方法を選んだのだ。

金氏が中央地検管轄内のソウル鍾路区昌成洞(チョンノグ・チャンソンドン)の大統領警護処付属庁舎で調査を受けたという点にも、検察と大統領室の悩みと妥協の痕跡が表れている。メディアに露出するフォトラインを通過して中央地検に出席するのは金氏側が受け入れることができなかったはずで、大統領室庁舎で調査をするのは検察の負担が大きいとみられるからだ。結局、現大統領夫人という身分を考慮し、警護に問題がない第3の場所を折衷案に選んだと分析される。

政界では調査時期の選定にも政務的な考慮が作用したとみている。与党・国民の力は23日の全党大会で新しい代表を選出する。「金氏リスク」問題は全党大会の代表選レースのイシューの一つだった。与党の新指導部が構成されれば自然に尹大統領との対面が予想されるが、政府・与党関係の葛藤の要素になりかねない金氏問題を事前に一部解消する意味があるとみられる。

任期の中盤に入った尹大統領の立場では、底にある国政運営支持率が最近上昇に転換する時点という意味もある。与党関係者は「総選挙以降に急落した支持率が最近また上昇中」とし「チェ上等兵事件とは違い、金氏関連の疑惑は積極的に調査を受ければ竜山が自力である程度解消できる悪材料」と話した。16-18日の韓国ギャラップの調査で尹大統領の支持率は29%と、4月の総選挙以降で最高値となった。最近、大統領室は与党代表選と野党の弾劾攻勢にいちいち対応するよりも「やるべきことをする」という立場を堅持している。韓国水力原子力が17日、総事業費24兆ウォン(約2兆7200億円)規模のチェコ新規原発建設事業優先交渉対象者に選ばれた後、大統領室の関係者は「我々は政争をしない。民生と国益だけを眺めて国を前進させることにまい進する」と強調した。

一部ではイ・ウォンソク検察総長の任期が9月に終わるだけに、その前に捜査を終えようとした可能性も提起される。イ総長は中央地検幹部級の人事が終わった先月3日、記者らに対し、金氏の捜査と関して「我々の法の前に例外も特恵も聖域もない」と話すなど、金氏に対する調査の必要性を強調してきた。その間、与党では「大統領室、検察ともにイ総長の任期終了前に金氏の捜査を終えるべき」という共感があった。

金氏の電撃的な検察出頭が世論にどんな影響を及ぼすかは未知数だ。政派ごとに立場が異なる中、結果的には検察がどんな捜査結果を出すかに直結している。野党は金氏の非公開調査事実が伝えられた後、「約束された調査」「皇帝調査」などの表現で強く批判した。大統領室の関係者は「現大統領夫人が直接対面調査を受けたのが特恵という主張は度が過ぎる」と話した。