マドゥロ氏、「血の海」避けるため再選が必要と主張 ベネズエラ大統領選

AI要約

ベネズエラのマドゥロ大統領が再選を必要と主張し、内戦を回避するために支持を訴える。

前回の大統領選で批判を浴びたマドゥロ政権に対し、今回の選挙が期待されたが、不正や野党弾圧の疑いも浮上。

野党候補者の出馬が禁じられたり、恣意的な拘束が相次いでいたりと、選挙環境は不透明。

マドゥロ氏、「血の海」避けるため再選が必要と主張 ベネズエラ大統領選

(CNN) 南米ベネズエラのマドゥロ大統領は16日、首都カラカスのイベントで、支持者に対し、今月28日に予定されている大統領選をめぐり、「血の海」が引き起こされる可能性を避けるためには、自身の再選が必要だと述べた。

マドゥロ氏は「ベネズエラを血で血を洗う内戦に陥らせたくなければ」、与党が大統領選で勝利しなければならないと訴えた。

マドゥロ氏は、与党の勝利だけがベネズエラの「平和」を確保できるとし、「不可逆的な結果」を期待していると言い添えた。

ベネズエラでは前任者のウゴ・チャベス氏が2013年に死亡して以降、独裁色を強めるマドゥロ氏が10年以上にわたり実権を握っている。マドゥロ政権はこの間、不正投票や野党への弾圧をめぐり、批判を受けることも多かった。

マドゥロ氏は18年の大統領選でも勝利して再選を果たしたものの、中南米14カ国や米国、カナダがこの選挙を正統なものとは認めず、野党勢力の大部分も参加しなかった。

今年の大統領選は違ったものになるとの期待もあった。これは、マドゥロ政権が昨年、米国との間で、制裁の緩和と引き換えに自由で公正な選挙を実施するとの合意に達したためだ。

だが、最近になり野党勢力はこの合意をマドゥロ氏がほごにしたと批判している。野党の主要な候補者だったマリア・コリナ・マチャド氏とコリナ・ヨリス氏の2人は出馬を禁じられているほか、人権団体が先に発表した報告書によれば、選挙戦が始まった今月4日以降、「恣意(しい)的な拘束」が相次いでいるという。