米制裁対象のシリア人実業家、イスラエル軍の空爆で死亡

AI要約

シリア政府系の実業家モハンマド・バラア・カタルジ氏がイスラエル軍の空爆で死亡したことが報道された。

カタルジ氏は過激派組織ISISへの燃料、武器供給を仲介し、米政府の制裁対象となっていた。

カタルジ氏と兄弟らはシリア内戦に関与し、政府軍やヒズボラとの関係も指摘されていた。

(CNN) シリア政府系のアルワタン紙は15日、同国の実業家モハンマド・バラア・カタルジ氏がイスラエル軍の空爆で死亡したと伝えた。同氏はシリア政府から過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)への燃料、武器供給を仲介したとして、米政府の制裁対象になっていた。

同紙によると、レバノン国境に近い首都ダマスカス近郊の幹線道路で、カタルジ氏の乗った車が空爆を受けた。

カタルジ氏は2018年に米財務省外国資産管理室(OFAC)の制裁リストに掲載された。OFACによると、同氏の企業は16年、シリアからISIS支配地域に向けた石油などの物資供給を独占的に請け負っていたことが判明している。

財務省の公式サイトによると、同氏はシリアの石油省、通商省など政府機関内の当局者らと強いつながりを持っていた。

カタルジ氏の兄弟2人もOFACの制裁を受けている。3人が設立した民兵組織は、シリア内戦で16年に起きた北部アレッポでの戦闘で、政府軍に加勢した。さらに、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとのつながりも指摘されている。

今年4月には、カタルジ氏の企業からヒズボラへの暗号資産(仮想通貨)送金に加担したとされるシリアの交換業者が死亡し、イスラエル情報機関の工作員に殺害された可能性が指摘されていた。