「英国王のスピーチ」で新議会開会 女性議員が過去最多の4割

AI要約

英国で17日、総選挙後初の議会が開会し、チャールズ国王が政府の施政方針演説を読み上げた。

労働党新政権の基本的使命は経済成長を確実にすることであり、EU離脱後の関係改善や左派色の強い法案の提出も示唆された。

女性議員数が前回総選挙から増加し、黒人やアジア系など民族的マイノリティー出身の議員も過去最多となり、議会の多様性が向上している。

「英国王のスピーチ」で新議会開会 女性議員が過去最多の4割

 英国で17日、総選挙後初の議会が開会し、チャールズ国王が政府の施政方針演説を読み上げた。英国では君主が政府方針を読んで新会期を迎えるのが慣例となっている。今回の演説は、14年ぶりに政権を奪還したスターマー首相率いる労働党新政権が用意した。

 国王の演説を通じ、労働党は「経済成長を確実にするのが(政府の)基本的使命だ」と位置付けた。欧州連合(EU)離脱以来、冷え込んだ大陸欧州との関係については「リセットする」と述べ、貿易・投資の面でEUとの関係改善に努めると強調した。

 また、「鉄道事業の公営化」「公営の再生可能エネルギー企業設立」といった左派色の強い法案も提出するとした。

 英BBC放送などによると、新たな下院議員650人のうち女性は263人に上り、英議会史上初めて4割を超えた。2019年の前回総選挙後の女性議員は220人だった。

 また、黒人やアジア系など民族的マイノリティー出身の議員も過去最多の90人で、前回の66人からさらに増加した。【ロンドン篠田航一】