イスラエルが無差別爆撃…ハマス「大量虐殺」 休戦会談決裂宣言

AI要約

イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区の緊張が高まり、イスラエルの攻勢による被害が拡大している。

攻撃による死傷者が増加し、国際社会や国連がイスラエルに即時の休戦を促している。

同時に、人道的危機も深刻化し、栄養失調の児童や避難民の状況が悪化している。

イスラエルが無差別爆撃…ハマス「大量虐殺」 休戦会談決裂宣言

パレスチナ自治区ガザ地区に対するイスラエルの攻勢が日々激しくなっている。ハマスがこれに抗議して休戦会談の決裂を宣言した中、イスラエルはハマスをより一層圧迫するとしてガザ地区の南部と中部への空襲を再開した。

15日(現地時間)のロイター通信とアルジャジーラ通信によれば、この日、イスラエル軍はガザ地区中部のヌセイラト難民キャンプ内の住宅にミサイルを発射し、パレスチナ人11人が即死した。数十人の負傷者は病院に搬送された。

同じ日、ヌセイラトにある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営中だった学校がイスラエルのミサイル攻撃を受け、少なくともパレスチナ人16人が死亡、80人が負傷した。

UNRWAは本部一帯が完全に焦土化したとアルジャジーラに伝えた。フィリップ・ラザリーニUNRWA事務総長はSNSに「国連の施設はいかなる場合にも保護されなければいけない」とし「イスラエルは国際法と国際人権法を公然と無視し、こうした違法行為を犯している」という抗議のメッセージを掲載した。

ハマスの統制を受けるガザ地区保健当局は11日午後から15日まで4日間続いたイスラエル軍の無差別攻撃で、ガザ地区内では少なくとも319人が死亡、802人が負傷したと伝えた。

最も致命的な攻撃は13日午前のアル・マワシ難民キャンプであった。イスラエル軍のミサイルが避難民のテントや給食・給水施設を打撃し、少なくとも90人のパレスチナ人が死亡した。現場で避難民を支援していた民防衛隊員3人も即死した。

アル・マワシはイスラエル軍が「人道主義区域」に設定して避難させたところであり、イスラエルは自ら安全地帯に指定したところに爆弾を浴びせたということだ。同日、ガザ地区西側のシャティ難民キャンプに設置された祈祷場所が攻撃され、22人が死亡した。

◆ハマス「大量虐殺」抗議、休戦交渉決裂

イスラエル軍の今回の攻撃は、カタールでイスラエルとハマスの休戦交渉が行われている中であった。

ハマスは4日、仲裁国のエジプトとカタールを通じて、16日の間にイスラエル軍人と男性人質を解放する内容が盛り込まれた修正案をイスラエルに伝えた。しかしイスラエルのネタニヤフ首相はガザ地区北部を通した武装組織員の復帰を遮断する内容など4つの条件を掲げながらこの修正案を受け入れなかった。

同時にハマスに圧力を加えるためにガザ地区全域で攻撃を継続した。ハマスはイスラエルの13日の攻撃の翌日、「民間人密集区域に対する爆撃は『大量虐殺』」とし、仲裁国に休戦交渉の決裂を通知した。ただ、イスラエル側が交渉に真摯に臨む場合、休戦会談を再開する意向を表した。

一方、イスラエル軍は昨年10月7日のハマスのイスラエル奇襲攻撃を計画したムハンマド・デイフ氏とカーンユニス旅団司令官ラファ・サラメ氏を狙ったものであり「被害を受けた民間人はごく少数だ」と主張した。イスラエル軍はこの攻撃でサラメ氏を射殺したと確認したが、デイフ氏の生死は確認できていないという。ハマス側は「デイフ氏は無事」と主張している。

国際社会はイスラエルに即刻休戦を促している。ラミー英外相は15日、イスラエルを訪問し、「休戦を促すために来た。この数カ月間、人命の損失があまりにも大きく、中断しなければいけない」と強調した。国連のグテーレス事務総長は「人道主義区域まで空襲して民間人死亡者が出たことを非難する」とし「すぐに人道的休戦が実現しなければいけない」と述べた。

◆栄養失調の児童が続出

人道主義的な危機も高まっている。国連人道問題調整事務所(OCHA)は今月に入り、ガザ地区に人道的活動に必要な燃料量の25%だけが搬入されていると伝えた。燃料不足は病院や製パン所の運営に打撃を与え、飲料水供給と衛生施設価格に深刻な制約を加えている。

OCHAはガザ地区中部デイルアルバラの学校内の避難民施設には1万4000人がいるが、栄養失調のため人を認知できない児童が続出していて、トイレも約560人で一つを使用しているとし、劣悪な状況を伝えた。