継続支援7兆円規模で合意へ NATO首脳、ウクライナ情勢協議 米など防空兵器5基供与

AI要約

ワシントンで開かれているNATO首脳会議で、ウクライナへの支援が焦点となっており、400億ユーロの軍事支援を継続する見通し。

バイデン大統領が地上配備型迎撃ミサイルを含む防空兵器をウクライナに追加供与したことが明らかになり、ウクライナはプーチンを止めることができると自信を示す。

NATOはロシアの侵攻後も年間400億ユーロの軍事支援を続けることを発表し、具体策としてドイツへの司令部新設やキーウに上級代表ポストの設置が見込まれる。

継続支援7兆円規模で合意へ NATO首脳、ウクライナ情勢協議 米など防空兵器5基供与

 【ワシントン時事】ワシントンで開かれている北大西洋条約機構(NATO)首脳会議は10日、ロシアの侵攻が続くウクライナに対する継続支援を中心に2日目の協議を行う。

 加盟国全体で、来年も400億ユーロ(約7兆円)規模の軍事支援を行うことで合意する見通しだ。

 NATOのストルテンベルグ事務総長は首脳会議初日の9日、ウクライナ情勢について、ロシアに加え、同国と関係を深める中国や北朝鮮なども「NATOの失敗を望んでいる」と指摘。「自由と民主主義のために今こそ立ち上がるべきだ」と支援の重要性を訴えた。

 この直後、バイデン米大統領が、ドイツやオランダ、イタリアなどと共同で、地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」を含む防空兵器5基をウクライナに追加供与すると表明。ウクライナは「プーチン(ロシア大統領)を止めることができる」と自信を見せた。8日に全土でロシア軍のミサイル攻撃を受けるなど厳しい戦況が続くウクライナでは、防空兵器の増強が急務になっている。

 NATOは侵攻後、年間400億ユーロの軍事支援を実施しているといい、これまでの水準を維持することになる。ロシアに融和的なハンガリーが反対していたものの、先月「合意を阻止しない」方針に転じたことで、「全会一致」に向けた障害はなくなっている。

 また、ドイツへの司令部新設や、ウクライナの首都キーウ(キエフ)に常駐する上級代表ポストの設置といった具体策も発表する見込み。AFP通信によると、同国のNATO加盟に関しては、米国とドイツが慎重なことから「明確な参加は呼び掛けない」という。