尹大統領「ロシアは韓国と北朝鮮のどちらがより重要なのか判断すべき」

AI要約

尹大統領は、NATO首脳会議に出席前にロシアに対し、北朝鮮と韓国のどちらがより重要か警告を発した。

ロシアと北朝鮮間の軍事協力について懸念を表明し、ロシアへの警告を強調した。

尹大統領はNATO首脳会議への出席を控え、日本、オーストラリア、ニュージーランドなどとの協力強化を視野に入れている。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が北大西洋条約機構(NATO)首脳会議への出席を控え、海外メディアとのインタビューで、ロシアに対し「韓国と北朝鮮のどちらがより重要で必要な存在なのか、よく判断してほしい」と述べた。最近、北朝鮮と軍事協力を同盟水準に強化したロシアに自ら「警告」したのだ。

 8日に公開されたロイター通信との書面インタビューで、尹大統領は「北朝鮮は明らかに国際社会にとって迷惑な存在だ」としたうえで、「大韓民国とロシアとの関係の未来はロシアの態度にかかっている」と述べた。先月19日、朝ロが首脳会談を通じて「包括的戦略パートナーシップ条約」を結び、軍事・経済協力を強化したことを受け、韓国政府はロシアに対し「ウクライナに殺傷兵器を供与しないというこれまでの方針を見直す」と警告した。それ以降、尹大統領自らロシアに対する立場を明らかにしたのは今回が初めて。

 尹大統領は「ロシアと北朝鮮間の軍事協力は朝鮮半島と欧州の平和と安保に対する決定的な脅威であり深刻な挑戦」だとしたうえで、「兵器取引、軍事技術の移転、戦略物資の支援などロシアと北朝鮮間の協力のレベルと内容を見極めたうえで、ウクライナへの兵器供与に対する決定を下すつもりだ」とし、政府の方針をもう一度強調した。

 尹大統領はさらに、「国連安保理常任理事国として対北朝鮮制裁決議案に主導的に参加してきたロシアが不法な軍事協力に関与しており、北朝鮮に対する軍事・経済協力提供問題に対する懸念がさらに高まっている」とし、「ロシアが国連決議案を破り続けるのは、韓ロ関係にも明確に否定的な影響を及ぼす」と繰り返しロシアを圧迫した。

 この日のインタビューには公開されなかったが、大統領室によると、朝鮮半島の核武装や戦術核の再配置に関する質問に、尹大統領は「北朝鮮の核とミサイルの脅威に対応するための最も現実的で望ましい解決策は、韓米の拡大抑止体制を確実に構築すること」だとし、「昨年4月の『ワシントン宣言』合意後、韓米同盟は核協議グループ(NCG)を通じて北朝鮮の核・ミサイル脅威に対する抑止力と対応能力を一層強化している」と答えた。

 一方、尹大統領は10~11日、米ワシントンDCで開かれるNATO首脳会議に出席するため、同日夜出国した。尹大統領は3年連続でNATO首脳会議に出席する。NATOは中ロの軍事的脅威が大きくなっていると判断し、インド太平洋国家との連携強化を図っており、今回の会議で朝ロの軍事協力を糾弾するメッセージが出てくると予想される。またNATO同盟国と韓国を含む日本、オーストラリア、ニュージーランドのアジア太平洋4カ国(IP4・Indo-Pacific4)との協力拡大を盛り込んだ共同文書が発表される可能性もあるとみられている。尹大統領はロイターとのインタビューで、「今年9月、ソウルで韓国の情報機関が主催する国際サイバー訓練(APEX・Allied Power EXercise)にNATO同盟国を招待し、NATOとの協力を新たな水準に格上げする予定だ」と述べた。

イ・スンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )