【コラム】朝ロの蜜月どう見るのか=韓国(2)

AI要約

米ソ両国は第3次世界大戦を望んでおらず、ソ連軍の韓国での直接参戦を知らせなかった。両国は戦争の拡大を避ける姿勢を示し、朝ロ間の関係は複雑なものだった。

プーチンの言及で、北朝鮮とソ連の歴史的協力が再び注目された。選択的な言及であるが、歴史上の事実を再確認する意味は大きい。

朝ロ関係は歴史的な葛藤を抱えており、ウクライナ戦争による世界情勢の変化でさらなる変化が予想される。我々は状況を見極めつつ、関係の発展に注視しなければならない。

【コラム】朝ロの蜜月どう見るのか=韓国(2)

◆第3次世界大戦を望まなかった米ソ

ソ連軍の参戦を知らせなかったのは米国も同じだ。1950年11月14日付の駐ソ米国大使の文書には、ソ連の参戦の兆候はなく、中国を攻撃の前足として使おうとするという点を強調した。これはソ連がまだ第3次世界大戦への拡大を望んでいないことを見せるものだという結論を出した。

ソ連空軍の参戦関連情報があったが、1951年7月10日の国務省の極秘文書「国家情報評価」32号では、北朝鮮軍と中国軍が使用する武器のうちタンクを除いてソ連製の武器は予想より多くないと報告した。ソ連が支援した戦闘機への言及はあるが、韓半島内のソ連空軍の活動には全く触れていない。

同年9月25日付の米国家安全保障会議の秘密文書でも、ソ連がより多くの技術者を供給していて、彼らが防空網やレーダー装備、タンクに関する諮問のために活動しているが、戦闘部隊が韓国戦争に直接介入しているという情報はないと判断している。ソ連軍が国連軍の安全を脅かすことはないというのがこの文書の結論だった。

◆歴史の中の不都合な朝ロ関係

ソ連だけでなく米国もソ連空軍の直接参戦を外部に知らせようとしなかった点が表れている。これは米国とソ連が共に韓国での戦争が第3次世界大戦に拡大することを望んでいなかったことを意味した。こうした状況だったため、共産軍側は停戦交渉で中立国監督委員団にソ連を含めようというあきれる主張までした。

このようにプーチンが言及した1945年から1953年までのロシアと北朝鮮の協力は、北朝鮮の歴史の本から消えたにもかかわらず、消すことのできない事実といえる。ところが注目されるのは、韓国戦争でスターリンの役割に言及しなかった半面、北朝鮮が否認してきた解放過程でのソ連軍の役割と戦争当時にソ連も隠そうとしたソ連空軍の参戦を認めたという点だ。

表面的にはプーチンのこうした選択的言及にそれほど大きな意味はなかったのかもしれない。しかし北朝鮮政府が否認して歴史から消そうとした事実に言及したという点、スターリン時代の不均衡的な朝ロ関係には言及しない代わりに戦争で両国の軍隊が共に血を流したという血盟関係を強調したという点は、その意味を考慮する必要がある。

◆解消されない歴史的感情

なら、プーチンのこうした言及で朝ロ間の不快な関係はすべて消えるのだろうか。北朝鮮は仁川(インチョン)上陸作戦直後の危機状況でのソ連の態度を忘れないはずだ。北朝鮮軍の防御網が崩れる状況で、スターリンは金日成の支援要求に対し「貴下はソ連や中国への脱出を準備しなければいけない」という絶望的な手紙を送った(1950年10月13日)。

ソ連は中国の参戦を督励しながら派兵をしなかった。むしろ停戦交渉の妥結に反対しながら米国と中国を韓半島に留めようとした。1956年のソ連の第20回党大会後のスターリン批判、1960年代の歴史歪曲に対する北朝鮮の抗議、ソ連の大国主義に対する北朝鮮の批判など、歴史的な葛藤関係にも注目しなければならない。

ウクライナ戦争による世界情勢の変化で朝ロ間の戦略的関係が強化されたが、互いに不都合な内容をいつまで容認できるかは誰にも分からない。永遠なる敵も永遠なる友邦もないからだ。また、現在の朝ロ関係も我々のやり方しだいでさらなる変化を迎えることができるはずだ。手を離していてはいけない。

パク・テギュン/ソウル大国際大学院教授