G7「中国はロシア支援停止を」…ロシア、米国の前に原子力潜水艦派遣

AI要約

G7首脳会議で中国へのロシア支援停止要求への動きが報じられる。

米国がロシア制裁を強化する中、中国のロシア支援に対し批判が広まる。

一方、ロシアはキューバに原子力潜水艦を派遣し、緊張が高まっている。

主要7カ国(G7)首脳が13日(現地時間)からイタリアで開催される「G7首脳会議(サミット)」で、中国に対してロシア支援を停止するよう求める予定だと、ブルームバーグ通信が報じた。米国がロシアに対する制裁をより一層強化したのに続く圧力だ。一方、ロシアは米国と隣接するキューバに原子力潜水艦を送り、緊張感を高めている。

ブルームバーグ通信は12日、G7首脳会議で発表される共同声明の草案を入手し、「ロシア防衛産業に対する中国の持続的な支援が、安全保障に重要かつ広範囲な影響を及ぼす」という内容が盛り込まれたと報じた。

これを受け、G7首脳らは「ロシアがウクライナから撤収するよう圧迫し、平和を支持するべき」と中国に要求する方針だ。その間、米国をはじめとする西側国家は中国がロシア制裁を避け、武器に直接活用されたり武器製作に必要な技術と部品をロシアに提供していると批判してきた。また、G7は貿易部門でも中国に国際規範を遵守するよう促す予定だ。ただ、声明の具体的な内容は首脳会議期間に変更される可能性があると、ブルームバーグ通信は伝えた。

中国政府は強く反発している。中国外務省の報道官はブルームバーグ通信に声明を送り、「G7は紛争の当事者でない国(中国)に根拠のない非難をするより、状況緩和と政治的危機解決のためにその環境をつくる実用的な責任を負うべき」と主張した。

米財務省・国務省などはこの日、ロシアが西側の制裁を避けて戦争を持続できるよう製品・サービスを提供する個人・団体300件以上を制裁対象に追加したと明らかにした。ロシアのモスクワ証券取引所(MOEX)および子会社、液化天然ガス(LNG)プロジェクト関連会社をはじめ、中国・トルコ・アラブ首長国連邦(UAE)の個人・団体も新たに制裁対象に含まれた。

またロシア防衛産業に関連する1次制裁対象と取引する外国金融機関に対する「2次制裁」も強化した。米財務省は「防衛産業」の範囲を拡大したとし、2次制裁対象が従来の1000件から4500件に増えると明らかにした。このほかロシア国民に対して特定の情報通信技術(IT)サービスおよびソフトウェアを提供することも禁止することにした。

一方、ロシア国防省はこの日、自国の軍艦がキューバのハバナ港に入港したと明らかにした。ロシア北方艦隊所属のフリゲート艦「アドミラル・ゴルシコフ」、原子力潜水艦「カザン」、石油タンカー「パシン」、救助船兼曳船「ニコライ・チコ」の4隻だ。ロシア軍は17日まで「キューバ革命軍」と共にミサイルを活用して600キロ打撃など訓練をする計画だ。「ゴルシコフ」は海上と地上の標的に共に使用できる新型極超音速ミサイル「ツィルコン」で武装している。

ロシアが米国の目の前にあるキューバに原子力潜水艦などを派遣したのは、最近米国などがウクライナに対して西側の武器をロシア本土打撃に使用できるよう認めたことに対する反発と解釈される。AFP通信は「ロシアはキューバ・ベネズエラなど同盟国に周期的に軍艦や戦闘機を派遣して訓練しているが、戦闘能力が強化された原子力潜水艦を米国の隣接国に送ったのは異例」と説明した。

米国務省は「日常的な訪問」として拡大解釈を警戒した。「ウクライナを支援する米軍の任務と重なってロシアの軍事訓練が強化されたが、核兵器を積んだ船舶ではなく直接的な脅威ではない」という説明だ。ジェイク・サリバン米国家安全保障担当大統領補佐官もこの日の会見で「注意して眺めている」としながらも「ロシア軍艦はブッシュ、オバマ、トランプなど以前の政権当時でもキューバを訪問した」と話した。