「ハマスが多数の変更を提案」とブリンケン米国務長官 イスラエルとの新たな停戦案で

AI要約

ブリンケン米国務長官が、中東歴訪中のカタールでの共同記者会見で、イスラエルとハマスの新たな停戦案について述べた。

ハマスが提案した変更について、ブリンケン氏は否定的な考えを示したものの、隔たりを埋める努力をする意向を示した。

新停戦案では、3段階に分かれて進行し、人質解放、敵対行為の停止、復興計画の実施が含まれている。

【カイロ=佐藤貴生】中東歴訪中のブリンケン米国務長官は12日、カタールで同国のムハンマド首相と共同記者会見し、イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの新たな停戦案について「ハマスが多数の変更を提案してきた」と述べた。ブリンケン氏はハマス側が要求を釣り上げた変更もあるとし、一部は「機能しえない」として受け入れに否定的な考えを示したが、隔たりを埋める努力をするとした。

停戦を仲介するカタールとエジプトは11日、ハマスから新提案に対する回答を受け取ったと述べた。米ホワイトハウス当局者はハマスが回答したことは「有益だ」と述べ、内容を精査しているとしていた。

ハマスが提案した変更の詳細は不明だが、イスラエル政府当局者は11日、ハマスは「主要で最も有意義な条件をすべて変更した」と述べた。恒久的停戦やイスラエル軍のガザからの撤退について、新たな条件が加わったとの見方も出た。

新提案はバイデン米大統領が5月末に発表し、国連安全保障理事会は6月10日、ハマスとイスラエルに受け入れるよう求める決議案を採択した。提案を基に停戦で合意に至るかはなお見通せない。

新停戦案では、第1段階とする6週間の停戦でハマスが人質の一部を解放する。第2段階で「恒久的な敵対行為の停止」を実現し、イスラエル軍はガザを撤収。第3段階で復興計画を始動させるとしている。