米国務長官、イスラエル首相と会談 停戦受け入れ求める

AI要約

ブリンケン米国務長官がイスラエルを訪れ、停戦と人質解放を求める提案を行った。

ブリンケン氏は戦後統治計画や戦闘拡大防止の重要性を強調し、エジプト訪問後はハマスへの圧力を訴えた。

イスラエル側は新たな停戦案に反発し、ハマスは戦闘継続の意向を示している。

【カイロ=佐藤貴生】ブリンケン米国務長官は10日、イスラム原理主義組織ハマスと戦うイスラエルを訪れ、ネタニヤフ首相と会談した。米国務省のミラー報道官によると、ブリンケン氏は即時停戦と人質全員の解放に向けた提案を米国や世界の指導者が支持していると述べ、停戦を受け入れるよう求めた。

ブリンケン氏は戦闘が続くパレスチナ自治区ガザの戦後統治計画を巡り、米国が関係諸国と協議していると述べたほか、レバノンの親イラン民兵組織「ヒズボラ」を念頭に戦闘拡大を防ぐことの重要性も強調した。イスラエル・レバノン国境周辺では最近、戦闘激化が伝えられる。

イスラエルに先立ちエジプトを訪問したブリンケン氏はシーシー大統領との会談後、中東諸国に対して「停戦を望むのなら、ハマスが同意するよう圧力をかけるべきだ」と述べた。

バイデン米大統領は5月末、イスラエルの提案だとして新たな停戦案を公表したが、イスラエル軍がガザ中部で人質4人を救出した6月8日の作戦の際にはパレスチナ人270人超が死亡したとされ、反発したハマスのハニヤ指導者は戦闘継続の方針を示した。

また、ネタニヤフ氏は米国の発表内容は「不正確だ」などと述べ、ハマスを壊滅させるために恒久的停戦には同意しない姿勢を示唆していた。米国務省高官によると、ブリンケン氏は11日、イスラエル戦時内閣からの離脱を表明したガンツ前国防相と会談する。