HBM3E12層「ブラックウェル・ウルトラ」サプライズ公開…エヌビディアCEO「台湾はすでにAIの中心」(2)

AI要約

台湾がAIの中心軸として注目を集め、台北国際コンピュータ見本市が世界的な主要行事として浮上している。

台湾系企業のトップが集結し、最新のHBM3E12層を搭載したエヌビディアの「ブラックウェル・ウルトラ」がサプライズ公開された。

エヌビディアは単なるチップ販売から脱却し、GPUだけでなくCPUやAIサーバー、ソフトウェアを提供するプラットフォーム企業として成長を遂げている。

◇HBM3E12層「ブラックウェル・ウルトラ」サプライズ公開

台湾がAIの中心軸のひとつに浮上し、今年で43回をむかえた台北国際コンピュータ見本市の地位も高まっている。台北国際コンピュータ見本市は台湾が半導体とコンピュータなどを戦略産業として目を付けた1981年に初めて開催された。一時は世界のPC市場が萎縮し台北国際コンピュータ見本市の地位も弱まっていたが、AIブームに乗って台湾がAIを具現する半導体やサーバーなどハードウエアの中心地に生まれ変わり、世界的企業が集まる世界的な主要行事として浮上している。

これは今年の基調演説の舞台に立った面々からも現れる。台湾系米国人であるAMDのリサ・スーCEOは3日の基調演説を務めた。昨年は副社長級が参加したクアルコムは、今回はクリスティアーノ・アモンCEOが直接出動し、韓国訪問を計画していたファット・ゲルシンガーCEOは訪韓を取り消して台湾にとどまる。世界の半導体スターが台湾にみんな集まる格好だ。

フアン代表はこの日の基調演説の最後に、第5世代広帯域メモリー(HBM3E)12層を搭載したエヌビディアの「ブラックウェル・ウルトラ」が来年発売予定という事実と、第6世代HBM4が搭載されるブラックウェル以降の次世代AIチップ「ルビン」のロードマップを初めて公開した。最新AIチップのブラックウェル発表から3カ月ぶりのサプライズ発表をまた出したのだ。

何よりサムスン電子が今年4-6月期中にHBM3Eの12層製品の量産を宣言した状況でこのHBMを搭載するスーパーチップ発売が及ぼす影響は相当なものとみられる。SKハイニックスとマイクロンもやはり12層HBM3Eの量産を準備中だ。フアン代表は「いま内容を公開したことを後悔するかも知れない。ブラックウェル・ウルトラには12層HBM3E、新しいルビンには第6世代HBM4が8個、ルビン・ウルトラにはHBM4が12個搭載される予定」と話した。

新しい設計を適用した新型グラフィック処理装置(GPU)プラットフォームのルビンは2026年に発売される。これとともにアーム基盤の新しいCPU「ベラ」も出撃する。半導体業界関係者は「エヌビディアはこの日単純にチップを売っていた会社から脱却し、GPUだけでなくCPUとAIサーバー、ソフトウエア全体を提供するプラットフォーム企業として跳躍するという戦略を改めて明らかにした」と評価した。