HBM3E12層「ブラックウェル・ウルトラ」サプライズ公開…エヌビディアCEO「台湾はすでにAIの中心」(1)

AI要約

台湾大学で開催されたCOMPUTEX基調演説に5000人以上が集まる。

エヌビディア創業者がAI革命と台湾とのパートナーシップを強調。

台湾企業との協力関係を通じてAI基盤革新を加速する動きが活発化。

HBM3E12層「ブラックウェル・ウルトラ」サプライズ公開…エヌビディアCEO「台湾はすでにAIの中心」(1)

2日午後、台湾・台北の国立台湾大学スポーツセンターには雨がしとしと降る天気にもかかわらず、5000人以上がレインコートを着て傘を差し駆けつけた。アジア最大規模のIT見本市である台北国際コンピュータ見本市(COMPUTEX)の最初の基調演説を聞くために各国から集まった人たちだ。この日基調演説を務めた人物は人工知能(AI)の皇太子と呼ばれるエヌビディア創業者のジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)だ。

熱を帯びた歓呼の中で黒い革ジャケットを着て舞台に登場したフアン代表は、AIが主導する次世代産業革命が始まったことを、その中心にはエヌビディアと台湾があることを知らせた。フアン代表は「台湾はわれわれの大切なパートナーがある本拠地。台湾とわれわれのパートナーシップが世界のAIインフラを構築している」と話した。

◇AIの中心に立った台湾

昨年に続き今年も台湾系米国人であるフアン代表は台北国際コンピュータ見本市の基調演説を引き受けた。エヌビディアは台湾を代表する半導体ファウンドリー(委託生産)企業のTSMCと深い協力関係を結んでいる。この日フアン代表は「単純にエヌビディアが半導体製造を台湾に委託する既存の関係を超え、多様な台湾のIT企業と協力してAI革命を導く」というビジョンを明らかにした。

フアン代表は「エヌビディアの包括的なパートナーエコシステムには世界最高の半導体ファウンドリーのTSMCをはじめ、AIファクトリー構築に向けた核心構成要素を提供する多様な電子製品メーカーが含まれる。サーバー、ネットワーキング、インフラ製造業者からソフトウエア開発者に至るまで、業界全体がエヌビディアの新製品『ブラックウェル』を通じてあらゆる分野でAI基盤革新を加速する準備をしている」と話した。

アップルのサプライヤーとして知られるフォックスコンはエヌビディアの中央処理装置(CPU)「グレース」と怪物チップと呼ばれる新製品「ブラックウェル」を使ってAI基盤の電気自動車とロボットに向けたスマートソリューションプラットフォームなどを開発する計画だ。台湾の代表的な医療機関である長庚紀念病院もエヌビディアの新製品を使って生物医学研究と臨床試験をするとこの日明らかにした。このほかにもエイスース、スーパーマイクロなど台湾企業も協力を伝えながらエヌビディア中心のAI生態系構築に力を加えた。

26日に台湾入りしたフアン代表は行く先々で熱い関心を集めた。フアン代表は29日にTSMC創業者のモリス・チャン氏とクアンタグループの林百里会長、台湾モバイルの蔡明忠会長、メディアテックの蔡明介会長ら台湾の科学技術業界代表と夕食をともにした。夕食後にはフアン代表の提案でモリス・チャン氏とともに台湾の夜市を訪れたりもした。

90代であるモリス・チャン氏が夜市訪問の提案に快く応じたという事実に台湾メディアは「TSMCとエヌビディアの緊密な協力関係を見せるもの」と解説した。フアン代表はこの日台湾メディアに「台湾はすでにAIの中心にあり、こうした絶好の機会を生かさなければならない」と話したりもした。