2024年のAI半導体市場、33％成長で710億ドルへ
市場調査会社Gartnerが発表した最新のレポートによると、2024年までのAI半導体市場の売上高は33％成長して710億米ドルに達する見込み。
コンピューティング分野がAI半導体市場をリードし、全体の47％を占めると予測されている。また、PC総出荷台数におけるAI PCのシェアも増加する見込み。
データセンターやハイパースケーラー企業など、高性能AI半導体の需要は伸長しており、AIに特化したチップ開発への投資も進んでいる。
米国の市場調査会社Gartnerは2024年5月29日（現地時間）、AI（人工知能）半導体の市場についてのレポートの最新版を公開した。それによると、2024年のAI半導体の売上高は前年比33％成長し、710億米ドルに達する見込みだという。同売上高は2028年まで2桁成長を続けると予測され、中でも2024年に期間中最大の成長率を記録するとみられる。
成長するAI半導体市場をリードするのは主にコンピューティング分野で、2024年の売上高は334億米ドルと、全体の47％を占めると予測されている。他の分野は車載分野が71億米ドル、民生機器分野は18億米ドルとなる見込みだ。
Gartnerによると、PC総出荷台数に占めるAI PCの出荷台数は2024年には22％に達する見込みだ。企業が購入するPCに限れば、2026年末には100％がAI PCになるという。Gartnerは「NPU（ニューラルプロセッシングユニット）を搭載したAI PCはより長時間、より静音かつ低温で使用でき、AIタスクをバックグラウンドで継続的に実行できる。AIを日常的に活用する新たな機会を創出することになる」としている。
生成AIによってデータセンター向け高性能AI半導体の需要も伸長している。Gartnerによると、MPUからデータ処理をオフロードするサーバで使用されているAIアクセラレーターの売上高は、2024年には210億米ドルに達し、2028年には330億米ドルまで増加する見込みだという。
高性能GPUの利用に注目が集まる一方、GoogleやAmazon Web Services、Meta、MicrosoftといったハイパースケーラーはいずれもAIに最適化した独自のチップ開発に投資を行っている。チップ開発にはコストがかかるが、カスタム設計のチップを使用することでAIサービスの運用効率が向上し、結果的にコストを削減できるという。GartnerのVP（バイスプレジデント）アナリストであるAlan Priestley氏は、「開発段階から運用段階へと市場が移行するにつれて、この傾向は続いていくだろう」と述べた。
