【玉ノ井親方 視点】大関へ前進 大の里の勝ちっぷり どちらが番付上位者か分からない相撲

AI要約

大の里と琴桜の取り直しの一番は、あっけない相撲内容だった。大関が顔をしかめるシーンがあり、ケガをしていた可能性もある。

大の里が流れをつくり、最終的に勝利を収めたが、どちらも番付上位者として互角の戦いを繰り広げた。

引退届を出した貴景勝には、指導者としての活躍が期待されている。

【玉ノ井親方 視点】大関へ前進 大の里の勝ちっぷり どちらが番付上位者か分からない相撲

 ◇大相撲秋場所13日目(2024年9月20日 両国国技館)

 大の里と琴桜の取り直しの一番は、あっけない相撲内容だった。最初の取組直後に大関が顔をしかめていたので、ケガをして力が入らなかった可能性がある。土俵に足がつくのを遅らせようと、股を広げた際に痛めたのではないか。ただ、最初の一番も流れは大の里だった。

 もろ差しを許さないように右を固めて当たり左上手は許したが、右が入ったことで自分の形をつくることができた。左でおっつけながら一気に前に出ると、琴桜は土俵際で回り込むのがやっと。どちらが番付上位者か分からない相撲だった。これで大関獲りと2度目の賜杯に大きく前進した。しかし結果は後からついてくると思って、千秋楽まで気を緩めないことが大事だ。

 最後に引退届を出した貴景勝はまだ28歳と若いが、首のケガは一歩間違うと大変なことになる。これからは指導者として角界を支える活躍を期待している。 (元大関・栃東)