【秋場所】〝大関王手〟大の里に柔道銀メダリスト・村尾三四郎が共闘呼びかけ「稽古やってみたい」

AI要約

大関昇進がかかる大の里が、琴勝峰を力強く押し出して無敗をキープ。目指すは三役での「3場所合計33勝」。

パリ五輪柔道男子90キロ級銀メダルの村尾三四郎が生観戦し、大の里との過去の対戦エピソードを振り返る。

大の里と村尾は共闘を呼びかけ、相撲部屋での稽古を希望。大相撲とオリンピアンの交流が話題となる。

【秋場所】〝大関王手〟大の里に柔道銀メダリスト・村尾三四郎が共闘呼びかけ「稽古やってみたい」

 あのメダリストも熱視線だ。大相撲秋場所11日目(18日、東京・両国国技館)、関脇大の里(24=二所ノ関)が幕内琴勝峰(25=佐渡ヶ嶽)を下して無傷の11連勝。優勝争いで独走し、大関昇進の目安まで〝マジック1〟とした。この日はパリ五輪柔道男子90キロ級銀メダルの村尾三四郎(24=JESグループ)が生観戦。小学時代に土俵上で大の里を倒した男が、互いの頂点へ共闘を呼びかけた。

 大関昇進がかかる大の里が、琴勝峰を力強く押し出して無敗をキープ。取組後は「もう一度、また集中して明日から頑張ります」と気を引き締めた。この日の白星で、大関昇進の目安となる三役での「3場所合計33勝」まであと1勝に迫ったが「33勝に王手? いや気にしてないです。一日一日、頑張ります」と、あくまで目の前の一番に集中する構えだ。

 この日の大の里の土俵には、パリ五輪で日本中を熱狂させた柔道家が熱い視線を送っていた。小学時代に相撲経験のある村尾は、打ち出し後に取材に応じ「僕は本当に大相撲が好きで、普段から(テレビで)見ている。生での観戦は今日が初めてだったけど、自分でチケットを取って後輩と一緒に来て面白かった」と大満足の表情を浮かべた。

 同学年の大の里とは、小学6年時のわんぱく相撲全国大会で対戦し、左からの上手投げで勝利。この〝大金星〟の動画がパリ五輪期間中にSNS上で拡散され、大きな反響を呼んだ。村尾は「大の里関との相撲はもちろん覚えていて、当時から体も大きくて前に出る圧力がすごかった。僕は小学生の時に相撲をやっていただけで、技術的なことは何もわからないけど(生で見て)大の里関が本当に強いのはわかった。今日の取組の中で(琴勝峰との相撲が)一番印象に残った」と興奮気味に話した。

 いまや大相撲の「主役」となった大の里に、村尾は「たくさん刺激をもらったし、自分もまた頑張りたい。大の里関が横綱になって、僕も4年後ロサンゼルス五輪で金メダルを取って、またこの動画が大きく話題になればうれしい」と互いの頂点へ向けて共闘を呼びかける。さらには「相撲部屋での稽古はタイミングが合えばやってみたい。(二所ノ関部屋から)お誘いがあれば、ぜひ行かせていただきたい」と出稽古にも興味を示した。

 大相撲とオリンピアンの交流といえば、相撲経験者でパリ五輪レスリング男子グレコローマン77キロ級金メダルの日下尚(三恵海運)も大会前の2月に佐渡ヶ嶽部屋へ出稽古し、大関琴桜らと汗を流した。大の里と村尾の〝合体〟が実現すれば、こちらも大きな話題となりそうだ。