貴景勝 横綱昇進の夢果たせず…首痛に悩み28歳で引退 V回数は現役では照ノ富士に次ぐ4回

AI要約

元大関の貴景勝が引退し、年寄「湊川」として後進を指導することが発表された。

引退は28歳1カ月で、首の痛みに悩まれ不振が続いていた。

貴景勝は大関2場所の経験があり、実力者として活躍したが、横綱昇進の夢を果たすことはできなかった。

貴景勝 横綱昇進の夢果たせず…首痛に悩み28歳で引退 V回数は現役では照ノ富士に次ぐ4回

 日本相撲協会は20日、元大関の関脇・貴景勝(28=常盤山部屋)が現役を引退し、年寄「湊川」を襲名したと発表した。今後は常盤山部屋で後進を指導する。貴景勝はこの日、両国国技館を訪れ、日本相撲協会に引退届を提出。持ち回り理事会で承認された。きょう21日に国技館で引退会見を行う。

 9度目のカド番だった名古屋場所で5勝10敗と負け越し。10勝以上なら大関復帰となった秋場所は初日から2連敗。3日目から休場して2桁勝利を逃した。師匠の常盤山親方(元小結・隆三杉)によると、18日夜に貴景勝本人から引退の申し出があったという。

 28歳1カ月での引退は、昭和以降の昇進で最高位が大関の力士では大受の27歳1カ月に次ぐ2番目の若さ。近年は首の痛みに悩まされ、思うような相撲が取れず、今年は5場所中勝ち越しが1場所と不振だった。

 貴景勝は埼玉栄高3年の14年秋場所に貴乃花部屋から初土俵を踏んだ。激しい突き、押しを武器に17年初場所で新入幕。18年九州場所で初優勝した。19年春場所後に大関に昇進し、在位2場所で陥落するも1場所で復帰。大関は30場所務めたが、今場所で再び関脇に転落していた。優勝回数は現役では照ノ富士に次ぐ4回の実力者も横綱昇進の夢は果たせなかった。

 ◇貴景勝 貴信(たかけいしょう・たかのぶ=本名・佐藤貴信)1996年(平8)8月5日生まれ、兵庫県芦屋市出身の28歳。埼玉栄高3年の14年秋場所に貴乃花部屋から初土俵。17年初場所で新入幕。貴乃花親方(元横綱)の退職で18年10月に千賀ノ浦部屋(現常盤山部屋)に転籍。19年春場所後に大関に昇進。大関を30場所務めたが今場所は関脇で2連敗後に休場していた。通算441勝254敗116休。優勝4回。殊勲賞3回、敢闘賞2回、技能賞2回。金星3個。得意は突き、押し。1メートル75、165キロ。

《元師匠花田光司氏 後進の指導に期待》 貴景勝の引退を受け元貴乃花親方の花田光司氏が「一気に駆け上がった現役時代とは打って変わり、さらなる飛躍を求められる立場になりますが、辛酸をなめても後進の指導を諦めず徳を積むことを祈ります」とコメントを寄せた。貴景勝は花田氏が主宰する相撲教室で指導を受け埼玉栄高3年の時に貴乃花部屋に入門。花田氏が18年に相撲協会を退職し師弟関係はなくなったが、幼い頃から成長を見守っていた弟子は心に残る存在だった。