貴景勝、引退 28歳の早すぎる幕引き…けがの連続だった大関在位30場所、慢性的な首の痛みなどで直近6場所中4場所で休場

AI要約

貴景勝関が慢性的な首の痛みを理由に引退届を提出し、30場所の大関在位の経緯が明らかになった。

貴景勝は怪我に苦しみながらも突き押しの威力を追求し、4度の優勝を果たしたが、最近の成績不振を受けて引退を決断した。

貴景勝は28歳の若さでの引退となったが、彼の実績と輝かしい記録は相撲界に色褪せることはない。

貴景勝、引退 28歳の早すぎる幕引き…けがの連続だった大関在位30場所、慢性的な首の痛みなどで直近6場所中4場所で休場

 大相撲秋場所で2桁勝利が条件の1場所での大関復帰を逃した関脇貴景勝(28)=常盤山=が20日、日本相撲協会に引退届を提出した。近く日本相撲協会から正式に発表される。

 慢性的な首の痛みで夏巡業を全休した貴景勝は、相撲を取る稽古をしない「ぶっつけ本番」で秋場所へ。しかし、初日は御嶽海、2日目は王鵬に完敗。王鵬戦後は「一生懸命やるだけ」と切り替えを強調していたが、3日目から休場。師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)は全休と、今後について貴景勝本人の意向を尊重する方針を明かしていた。

 大関在位30場所は、けがの連続だった。新大関だった2019年夏場所で痛めた右膝に加え、近年は首の痛みに悩まされ、持ち味の突き押しの威力を発揮できない取組が目立っていた。直近6場所中、皆勤して勝ち越したのは優勝した昨年秋場所のみ。4場所で休場と苦しい土俵が続いていた。

 2019年の名古屋場所を全休して大関陥落した際は、翌秋場所で12勝を挙げて大関即復帰を果たした。5年前の再現の期待に対し、本人は「年齢を重ねて、落ちたことは一緒だけど、中身はまるっきり違う」。今後の困難な道のりを見通すような言葉も残していた。

 28歳での早すぎる幕引きだが、突き押しの威力を追求してつかんだ優勝4度は照ノ富士に次ぐ現役2位。輝きは色あせない。

 ▼貴景勝貴信(たかけいしょう・たかのぶ) 本名は佐藤貴信。1996年8月5日生まれ、兵庫県芦屋市出身の28歳。175センチ、165キロ。常盤山部屋。埼玉栄高から貴乃花部屋に入門し、2014年秋場所初土俵。16年夏場所新十両。17年初場所で新入幕し、しこ名を佐藤から貴景勝に改めた。18年10月に貴乃花親方の日本相撲協会退職により転属し、直後の九州場所で小結で初優勝。19年春場所後に大関昇進。優勝4回。三賞は殊勲賞3回、敢闘賞2回、技能賞2回。金星3個。