【今が〝旬〟~このレーサーに乗れ~】古賀繁輝「これまでは腹のくくりが足りていなかった」

AI要約

古賀繁輝(38)佐賀支部94期。SG出場を目指し、猛特訓を積んでいる。

自信を持ち、調整やレースの仕方を見直すことで、好調をキープしている。

40代を前に、タイトル獲得への決意を固める古賀。不惑を迎える心境も明かす。

【今が〝旬〟~このレーサーに乗れ~】古賀繁輝「これまでは腹のくくりが足りていなかった」

◇古賀繁輝(38)佐賀支部94期

「このまま終わるか。もう少し頑張るか」――。1年前、古賀は自問自答していた。佐賀支部では峰竜太、上野真之介、山田康二、宮地元輝といった後輩がSG常連として活躍。さらに末永和也、定松和也といった20代の若手も次々と台頭してきた。こんな下からの突き上げに心が揺れた。

 結論は「頑張ろう」。そして「最短でSGに出られるならダービーしかない」と一念発起。ダービーの選考期間は昨年8月から今年7月まで。「ダービーを目指して意識してやってきた」と明かす。ここで設定した目標は出場権を手に入れることだけではなかった。

 2012年の福岡ダービーでSG初出場。「この時は〝出られれば〟と思って出られて良かったけど、今回はそれではダメと思っていた。いい順位で選ばれて1号艇が回ってきてちゃんと勝負できるように」。SG出場選手52人に対して予選4日間の1号艇は各12レースで「48」。選出順位下位の選手は1号艇なしで予選を終えることになる。このことも踏まえて選出順位を一つでもあげることにもこだわった。

 さらに「調整も戸田の水面を意識してスリット足がくるようにと思ってやってきた」とダービー本番を見据えて戦ってきた。その結果、選考勝率7・23、選出順位39位でのダービー出場を決めた。8月の若松ミッドナイトで優勝、続く地元からつのお盆シリーズで優出(4着)と好調をキープしている。

 この好リズムのベースとなっているのSG11冠の石野貴之だ。「昨年6月のからつの一般戦で石野さんにペラのアドバイスをもらったところから調子が良くなった。それまでは調整の方向性が迷子になってよく分からなくなっていた」と振り返る。

「ここからペラや調整を煮詰めていって、その後に、また11月の徳山の記念で石野さんと一緒になった時にアドバイスをもらって、これをベースに1年間やってきた。自分がどの体感で一番勝てていたのか、今までのことも振り返って調整やレースの仕方などを見直した」という。

「これまで大きなタイトルを目指してきて勝ててないけど、最後に勝つために何が必要かずっと考えてきた。最後に自分を信用してスタートにしても調整にしても自分を信じられるか。これまでは腹のくくりが足りていなかった気もする。40代も近づいてきたし、これからはそういうことも意識してやっていきたい」。不惑を前に気持ちも固まった。

☆こが・しげき 1986年7月19日生まれ。佐賀支部の94期生。佐賀県出身。2004年5月にからつでデビューすると3日目、4走目で初勝利。2006年9月のびわこで初優勝。通算48V。同期には岡崎恭裕、稲田浩二、今井貴士、平田さやか、落合直子ら。