大谷翔平が試合開始1分10秒後3球目で49盗塁 相手先発は人生初クイックも「あの速さ見たことない」

AI要約

ドジャース・大谷翔平投手がマーリンズ戦で二盗を決め、シーズンの記録を更新した。

大谷翔平は50本塁打&50盗塁達成に再び近づき、プレーオフ進出も目前となった。

チームは快勝し、プレーオフ進出にむけて前進した大谷翔平の活躍が光る試合だった。

大谷翔平が試合開始1分10秒後3球目で49盗塁 相手先発は人生初クイックも「あの速さ見たことない」

◆米大リーグ マーリンズ4―8ドジャース(18日、米フロリダ州マイアミ=ローンデポパーク)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が18日(日本時間19日)の敵地・マーリンズ戦に「1番・DH」でフル出場し、二盗を決めて「48本塁打&49盗塁」となった。前人未到の「50―50」にまたしても前進し、D・ロバーツ監督(52)が持っていた現役時代のシーズン最多盗塁にも並んだ。チームは快勝して地区優勝へのマジックを7とし、19日(同20日)に勝てば、12年連続となるプレーオフ進出が決まる。

 偉業への前進は1分あれば大谷には十分だった。初回先頭の1打席目、1ボールからの2球目。先発左腕・ウェザーズの内角95・7マイル(約154キロ)を腕をたたんで振り抜いて左前に落として出塁すると、続くベッツの初球で二盗を決めた。二塁手がボールをはじいた(記録は捕手の失策)のを確認すると、一気に三塁まで到達した。プレーボールからわずか3球、約1分10秒での出来事だった。

 6試合ぶりの盗塁は、26連続成功で、シーズン49個目の盗塁。01年のイチロー(マリナーズ)以来となる日本人選手2人目のシーズン50盗塁目に王手だ。大谷は表情ひとつ変えることはなかったが、試合開始直後から敵地は大きく盛り上がった。前人未到「50―50」への重圧について前日の17日には「それはあまりないですかね」と話していた大谷。偉業を期待するファンの異様な空気が流れていたが、平然と盗塁を決めた。

 相手バッテリーの“秘策”もかいくぐった。先発したマーリンズのウェザーズは大谷の足を警戒して、人生初のクイックでベッツへの初球を投じた。それでも二盗を許し「キャリアで初めてスライドステップで投げた。あのパワーとスピードは、見たことがない」と脱帽。決して大谷のスタートもよくはなかったが、自身の現役時代のシーズン最多盗塁に並ばれたロバーツ監督は「悪送球を願っていた。送球が良かったらタイミングはアウトだった。大谷のスピードを警戒して、フォーテス捕手が急いで投げたので、セーフになった」と解説した。

 その後、1死三塁でT・ヘルナンデスの遊ゴロで本塁を狙ったが、三、本塁間に挟まれてタッチアウト。2打席目以降は2三振を喫するなど4打席凡退し、残り10試合で「48本塁打、49盗塁」となった。チームは11安打8得点で快勝。地区優勝へのマジックは7となり、12年連続のプレーオフ進出は、19日に勝つか、メッツとブレーブスがともに負ければ決まるマジック1となった。

 「50―50」へ残すは2本塁打、1盗塁。自身初のプレーオフへもあと1勝に迫った。1年前の19日(同20日)は、ロサンゼルスの病院で2度目の右肘手術を受けていた。開幕に間に合うかも心配された中で、3月20日に韓国で行われた開幕戦で今季初盗塁、チームの初勝利をつかんだ。MLB公式のS・ラングス記者によると、プレーオフ出場経験のない現役選手で、これまでレギュラーシーズン865試合に出場しているのは大谷が最多。長い道のりだった舞台、光景が目の前まで迫っている。(安藤 宏太)

 ◆ドジャースのポストシーズン進出条件 マジックは1。マーリンズ戦に勝てば無条件で12年連続の進出が決まる。敗れてもブレーブスとメッツがともに敗れれば進出。ド軍が敗れ、ブ軍かメ軍のどちらかが勝てば持ち越す。