熱戦を演出した関東一の技巧派・畠中鉄心、圧巻の制球力【夏の甲子園ピカイチ選手・決勝】

AI要約

第106回全国高校野球選手権(阪神甲子園球場)は、京都国際(京都)の初優勝で幕を閉じた。

決勝は大会史上初の延長タイブレークの激戦の末、関東一(東東京)は準優勝に終わった。その差はわずか1点。

目を引いたのは、先発の畠中 鉄心投手(3年)の好投だった。準決勝では登板はなく、決勝の大一番にとっておいた左腕だった。

熱戦を演出した関東一の技巧派・畠中鉄心、圧巻の制球力【夏の甲子園ピカイチ選手・決勝】

第106回全国高校野球選手権(阪神甲子園球場)は、京都国際(京都)の初優勝で幕を閉じた。決勝は大会史上初の延長タイブレークの激戦の末、関東一(東東京)は準優勝に終わった。その差はわずか1点。敗れた関東一も京都国際同様に、賞賛されるに値する戦いぶりだった。

目を引いたのは、先発の畠中 鉄心投手(3年)の好投だった。準決勝では登板はなく、決勝の大一番にとっておいた左腕だった。その期待を背負う重圧は想像を絶する。後ろに強力なリリーフ陣がいるとはいえ、序盤で試合が決することだって十分可能性はある。そのとてつもなくプレッシャーがかかるマウンドで、6回まで京都国際をゼロに抑えたのだ。

「丁寧な投球」という言葉がピッタリと当てはまる。コントロールだけは間違わない。そんな気持ちが伝わる1球1球だった。内外角への投げ分け、右打者の外角へのチェンジアップ、内角への直球…。すべてに気持ちを込め、力任せではなく制球された投球だった。ピンチを招く場面もあったが、その制球力は衰えることなく、相手にホームを踏ませなかった。

相手の京都国際の2人の左腕のように、140キロを超える速球はなく、173センチと上背もない。しかし、丁寧なピッチングを大きな武器として、粘り強くマウンドで相手に立ち向かった。その姿勢と、その自信にいたるまでの練習量が、相手を封じる武器でもあった。

優勝は果たせなかった。悔しさはあるだろうが、畠中自身の仕事は十分に果たせた。チーム初の夏準優勝メンバーであり、決勝の先発を任されたことを自信に、次のステージでもその「丁寧な投球」に磨きをかけてほしい。