甲子園4強チームで輝く4人のサウスポー!共通するのは”落ちる魔球”【夏の甲子園好投左腕一覧】

AI要約

第106回全国高校野球選手権大会の残り2日間日程と、4強に残ったチームの左腕投手の活躍に注目が集まる。

左腕投手の特徴や成績、チェンジアップの効果などが詳細に述べられている。

新基準のバットが導入された今大会で左腕投手の緩急投球が際立ち、今後のトレンドになる可能性が示唆されている。

甲子園4強チームで輝く4人のサウスポー!共通するのは”落ちる魔球”【夏の甲子園好投左腕一覧】

第106回全国高校野球選手権大会(阪神甲子園球場)は残り2日間の日程となった。21日に準決勝、23日に決勝が予定されている。ここまで大会を振り返ると、4強に勝ち残ったチームを含め、左腕の活躍が目立ったように感じている。

4強に残ったチーム中、青森山田(青森)以外の3チームに左腕がいる。最速と今大会の成績は以下の通り。

★神村学園(鹿児島)

今村 拓未(3年)最速144キロ 防御率3.86

3試合(先発3、完投2)21回18奪三振12与四死球、失点10(自責9)

★京都国際(京都)

中崎 琉生(3年)最速144キロ 防御率1.50

2試合(先発2、完投2)18回26奪三振2与四死球、失点3(自責3)

西村 一毅(2年)最速143キロ 防御率0.00

2試合(先発2、完投2)18回10三振8与四死球、失点0(自責0)

★関東一(東東京)

畠中 鉄心(3年)最速137キロ 防御率2.03

3試合(先発2、完投0)13.1回9奪三振3与四死球、失点4(自責3)

いずれも先発型。畠中以外は140キロ台前半の球速を持つ。切れのいい直球とスライダーに加え、特にチェンジアップの切れとコントロールの良さが印象に残る。右打者への外角へと落ちる「魔球」は、左投手の武器。これを使いこなせている左腕が好成績を収めているようだ。

チームは負けても、印象に残った左腕は多かった。ミラクルな勝利を含め歴史的な勝ち方をした大社(島根)の快進撃を支えたのは左腕。エースの馬庭 優太投手(3年)もまた、右打者への外角の直球とチェンジアップの出し入れが抜群だった。

智辯学園(奈良)の田近 楓雅投手(3年)は、チェンジアップの割合が多かった。カウントを取りにいく球、打ち取りに行く球、空振りを誘う球と、使い分けていたようにも感じた。他の左腕と違う点では、左打者にもチェンジアップを多用していた。右打者へは有効とされるが、左打者へは打者に向かっていく球筋でもあり、左腕が投げることは難しいとされているが、それを見事に克服した。2回戦の健大高崎(群馬)戦で、左打者を7人も並べた打線を1点に抑えきったのも、チェンジアップが奏功したからだった。

この夏の甲子園から初めて新基準のバットが使用された。投手も打者もどう変わっていくのかはこれから議論されるところだろうが、左腕のチェンジアップが有効的だった今大会のように、緩急をつけた投球が今後のトレンドになっていくかもしれない。