【甲子園総括】低反発バットで「変わった」高校野球 本塁打減り1点差試合、公立校の活躍目立つ

AI要約

京都国際が関東第一とのタイブレークを制し、初優勝を果たした。夏の甲子園優勝は68年ぶりの快挙である。

京都国際と春Vの健大高崎に共通する特徴は、左腕エースと内野守備の堅実さであり、技術を出し切った点にある。

低反発バットの導入で高校野球は変化し、本塁打が減少。公立校も活躍し、新たなトレンドが見え隠れする夏となった。

<全国高校野球選手権:京都国際2-1関東第一>◇23日◇決勝

 京都国際が関東第一(東東京)とのタイブレークを制し初優勝を果たした。決勝戦でのタイブレークは史上初。京都勢の夏の甲子園優勝は1956年の平安(現龍谷大平安)以来68年ぶり。深紅の大優勝旗は古都京都に渡り、甲子園球場100年の夏は幕を閉じた。

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 優勝した京都国際と、春Vの健大高崎(群馬)には共通点がある。左腕エースが右打者の外角で直球、スライダー、チェンジアップの3球種を使い分け、内角直球に力がある。加えて内野守備が堅実だ。ともに前評判通りの技術を出し切った。

 今春から導入された低反発バットで、高校野球が変わった。本塁打は前年の23本から7本に。大会48試合のうち決勝を含めた7試合が2-1で、1-0が5試合。大社(島根)や石橋(栃木)といった公立校の活躍も目立った。石橋の福田博之監督(58)は「飛ばす才能では強豪私立の子に負けていても、このバットで低く強い打球を練習で徹底できれば、公立にとって有利になりうる」と話した。大社も指導者と生徒間での意思統一ぶりが、ライバル校から絶賛された。

 詰まった前へのゴロに対応する二遊間の鋭さが、各校で目立った。健大高崎・青柳博文監督(52)は「低反発バットで作業が増えて、うまい子をサードに置かないと」。東海大相模・日賀琉斗内野手(2年)ら三塁手の技術も光った。来夏も実施される朝夕2部制は、開会式後の時間の難しさが露見。高校球界の新たなトレンドの“芽”が見え隠れした夏だった。【金子真仁】