京都国際・中崎琉生、準決勝の悔しさを糧に栄冠つかみ取る

AI要約

全国高校野球選手権決勝戦が京都国際と関東第一の間で行われる。京都国際のエース・中崎琉生投手は悔しい準決勝を糧に、初優勝を目指して意気込んでいる。

中崎は先輩たちが果たせなかった目標を達成し、チームを優勝に導くことを誓っている。彼は聖地甲子園で育ち、熱戦に魅了されてきた。

京都府勢の優勝は平安以来68年ぶりとなる記念すべき試合であり、甲子園開場100周年の決勝戦でもある。

京都国際・中崎琉生、準決勝の悔しさを糧に栄冠つかみ取る

全国高校野球選手権大会は23日、甲子園球場で午前10時から決勝が行われ、ともに初優勝を目指す京都国際と関東第一(東東京)が対戦する。22日は休養日で、京都国際は花園セントラルスタジアムで前日調整を行った。エースの中崎琉生(るい)投手(3年)は4回2失点だった準決勝の悔しさを糧に、栄冠をつかみ取る投球を誓った。

歴史の扉を開くときがやってきた。ともに初優勝が懸かる関東第一との大一番を前に、エース中崎は決意を新たにした。

「先輩たちがかなえられなかった目標を、自分たちがかなえる番」

3年前、中川勇斗(阪神)らを擁し、初出場で4強入りしたチームを見て入学を決意。同じ左腕の森下瑠大(DeNA)の投球にひかれた。「2年生ながらエースで活躍して、一番目立っていてかっこよかった」。今大会、1年時にともにプレーした憧れの存在から毎試合前に「頑張れよ」と激励を受ける。「その言葉を励みに甲子園で戦ってこられた。森下さんだけじゃなく、多くの先輩方の分まで優勝したい」。1999年の創部からつかめなかった栄冠に、あと1勝で手が届くところまできた。

決勝に懸ける思いは強い。青森山田との準決勝は先発で4回2失点で降板。2番手の西村が5回無失点で逆転勝利を飾ったが、試合後に悔し涙を流した。「西村がいなければここまでこられなかった。最後は2人で笑って終わりたい」と意欲を燃やした。

甲子園のお膝元、西宮市で育った中崎は聖地での熱戦に魅了された。「金足農業の吉田輝星投手や(星稜の)奥川恭伸投手を目標にしてきた」。古都で鍛錬に励み、少年時代に何度も足を運んだ球場に戻ってきた。「次は自分が目標とされる選手になる」。子供にたち夢を届ける投球で、ともに準優勝だった吉田、奥川がたどり着けなかった頂点へ導く。

「いろんな方の記憶に残る試合になればいい」

京都府勢の優勝となれば、56年の平安(現・龍谷大平安)以来、68年ぶりとなる。甲子園開場100周年の決勝戦。メモリアルイヤーにふさわしい試合で、深紅の大優勝旗を京の都に持ち帰る。(萩原翔)