全国大会初ゴールのMF大谷湊斗「昌平らしさが出た試合」主将が1G1Aの活躍でチームを勝利に導く

AI要約

昌平が帝京安積を4-0で下し、3回戦に進む。

試合では昌平が先制点を奪い、後半に追加点を重ねて圧勝。

主将の大谷湊斗がゴールを挙げ、チームは悲願の優勝に向け更なる進展を見せる。

全国大会初ゴールのMF大谷湊斗「昌平らしさが出た試合」主将が1G1Aの活躍でチームを勝利に導く

 7月28日、令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)2回戦が行われ、Jヴィレッジスタジアムでの第1試合は、昌平(埼玉)が帝京安積(福島1)を4-0で下し3回戦に駒を進めた。

 地元福島代表の帝京安積(福島1)との2回戦。昌平は7分にFW鄭志錫(3年)のゴールで先制する。

 しかし、そこから次の1点を決めることができず、帝京安積に反撃を許す。それでも「前半早い時間で点が取れたはよかったんですけど、今大会は2点目が遠くて。ただ、その中でも失点をしなかったのは修正できた部分」とキャプテンのMF8大谷湊斗(3年)が話したように、先制点のリードを守り切れなかった1回戦とは違い、この試合では要所を押さえた守備を見せ、1点リードのまま前半を終えることができた。

 そして後半が始まると、ギアを上げた昌平の猛攻が始まる。37分には流れるようなパス交換から「(MF山口)豪太にはカットインした時に、"ここにくれ!"と話していたので、その流れでテンポよくチソ(鄭志錫)に出せた」と大谷が鄭に絶妙なスルーパスを通すと、フリーで抜け出した鄭が落ち着いて2点目をゲット。「普段の練習から自分がチソに要求している部分もあるので、それが得点に繋がった」と大谷も喜んだ貴重な追加点。この流れでゴールを奪えたことがこの後の展開を方向づけた。

 46分には「豪太がカットインした時には自分も中に入る意識をしていた。(中央の)チソに相手が付いていたのはわかっていたので、豪太なら(ファーに)蹴ってくれるだろうと思って」とタイミングよくゴール前に入り込んだ大谷が山口からのクロスにヘディングで合わせネットを揺らした。

 「1年から全国大会に出させてもらっていてまだゴールが無かったので、嬉しかったです」

 3年になってゴールへの意識が高まった大谷。意外にも夏冬含めこれが全国初ゴールとなった。

 その後も相手を圧倒した昌平は、さらに1点を追加し4-0で2回戦を突破。大谷は「後半圧倒出来たというのは今年の強さ」と胸を張った。

 しかし、快勝してもなお「(前半)自分も2本シュートを打った中で枠に飛ばなかったというのは個人としての課題ですし、守備の部分で前半はハマっていなくて、後半はやり方を変えたんですけど、(前半のうちに)自分が気付いて修正できたらもっと点が取れた」と反省。ハーフタイムに入る前に自分たちで流れを変えることができなかったことを悔やんだ。

 それでも「練習では点もアシストもしていたんですが、試合になると状況も違いますし、自分自身結果を求めてやってきたので、焦りは多少ありました。今日得点を取れてホッとしています」と、点を取れていないプレッシャーから解放され安堵の表情を浮かべた大谷。そして「圧倒した試合で点を取れたのは良かったですけど、次からはもっと厳しい試合になると思うので、その中で点を取ってこそ本物。次も貪欲にゴールを狙っていきたい」とすぐに次のゴールを見据えた。

 昌平にとって、苦戦した1回戦のあとにこの勝ち方ができたことは大きい。ここからは"自分たちらしい戦いができる"という自信も得られただろう。

 「あの難しい試合をモノにしたっていうのがこの試合展開に繋がったのかなと思います。(初戦は)緊張もあったんですが、もうみんな緊張もなくなってきて、楽しそうにサッカーをやっているので、昌平らしさが出た試合だったかなと思います」

 チームも主将も重さが取れた昌平。悲願の優勝に向け、また一歩前進した。

(文・写真=会田健司)