「サッカーを通して被災地や日本全国を盛り上げていく」。福島第1代表の帝京安積DF平野瑛大主将が選手宣誓、挑戦者として初陣に挑む

AI要約

開催県・福島第1代表の帝京安積高DF平野瑛大主将が選手宣誓を行い、被災地や日本全国を盛り上げる意気込みを示す。

帝京安積高は初の全国大会出場を果たし、チームの成長と実績に自信を持って臨む。

福島県第1代表としてのインターハイ挑戦に向け、選手や監督がチームの強化に取り組む姿勢を示す。

「サッカーを通して被災地や日本全国を盛り上げていく」。福島第1代表の帝京安積DF平野瑛大主将が選手宣誓、挑戦者として初陣に挑む

 令和6年度全国高校総体(インターハイ)男子サッカー競技は26日、福島県双葉郡のJヴィレッジ全天候型練習場で開会式を行った。参加52校の代表選手や関係者、地元の高校生代表が出席。開催県・福島第1代表の帝京安積高DF平野瑛大主将(3年=鹿島アントラーズジュニアユース出身)が選手宣誓を行った。

 一時言葉に詰まるところもあったが、「私たちにできることはサッカーを通して被災地や日本全国を盛り上げていくことです。復興に携わってくれた方々、今まで支えてくれた家族、そして監督、コーチへの感謝を胸に最後まで戦い抜くことを誓います」と最後まで言い切った。

 開会式後には、「(終わって)めっちゃスッキリしたんですけど、やっぱちょっと詰まっちゃったんで、ちょっと後悔もあります」と苦笑い。それでも、「福島県は東日本大震災があって、色々大変なことがあったんで、そのことは言おうと思っていました」と宣誓文で思いを全国のサッカー仲間たちに伝えた。

 今回、福島県は出場枠が2。帝京安積は予選準決勝で東日大昌平高を1-0で下して全国大会初出場を決めると、続く決勝では名門・尚志高を2-2からのPK戦で下した。絶対王者の連覇を13で止め、福島県第1代表として地元開催のインターハイに臨む。

 平野はこれまで、全国舞台が遠いものだと感じていたという。だが、開催県のチャンスを活かし、予選を突破。宿敵を倒して県1位になったことも自信になっている。「(これまで全国舞台は)全然まだ遠いと思っていて。ここで福島県が2校出れるっていうことで、 そのチャンスを掴めてよかった。やっぱり、尚志倒さないと選手権とかでは全国出れないし、そこを目標にしてやってたんで、大きな自信になりました」と頷く。

 帝京安積は本格強化16年目、人工芝グラウンド完成から4年目での全国切符。小田晃監督は、「(第1代表になったことは)評価できます。周りからの見られ方とか環境も変わるので、それもいい意味で僕らにはプラスになるなっていうところがあります」。初となる全国大会を控えた7月19日から21日には大阪遠征を実施。第13回堺ユースサッカーフェスティバルに参加し、国見高(長崎)、作陽高(岡山)とインターハイに出場する伝統校と戦った。

 全国大会に出場するからこそ、経験できた貴重な機会。小田監督は「7月末に全国大会、真剣勝負の機会があるのはすごく大きいですね。1回のゲームで終わらないで、2つ、3つゲームをやりたい」。トーナメント戦以上に重きを置くプリンスリーグ東北の後期や、選手権予選へ向けてより成長する機会を掴み取ることを目指す。

 28日の全国初陣(2回戦)の対戦相手は、プレミアリーグ勢の昌平高(埼玉)対尽誠学園高(香川)戦の勝者。「勝ちたい」という気持ちが強くなっているという小田監督は、「守備が上手くハマる瞬間が増えることと、ハマってなくてもやられないことは絶対大事です。でも、それで終わってしまうのはいけない。守ってる時間だけだと、絶対ウチのゲームにならない。ボール奪って、相手に簡単にボール渡さない時間をやっぱり作り出さなきゃいけないかなと思っています」と語る。

 ともに中盤の要を担うMF藤沼遥斗(3年)やMF仲大和(3年)は大阪遠征でも好パフォーマンス。プリンスリーグ東北で得点ランキング2位タイのFW白坂晴人(3年)の活躍に加え、指揮官が「身体能力が高い。気持ちもついてきて、簡単に折れないようになってきた」と評したFW宗形享(3年)の台頭も大きい。

 大黒柱の平野は「結構チームとしてまとまってきていて、守備の部分だったり攻撃の部分も質が上がってると思うんで、いい状態だと思ってます」と語り、2日後に迫った初戦へ向けて「やっぱ自分たちはチャレンジャー側だと思うんで、そこでしっかり自分たちの力見せつけて、勝てたらと思います。自分は得意な左足のキックだったり、FKとかでも点を取れる自信があるんで、ここでチームに貢献できたらと思います」と意気込んだ。挑戦者として初陣に挑み、初白星を勝ち取る。