「僕のタイヤまだイケたのに……」勝利手にしたハミルトン、結果的に2ストップに助けられるも、フィニッシュ直後は敗戦に不満隠さず

AI要約

メルセデスのジョージ・ラッセルが1ストップ戦略でベルギーGPを制し、ハミルトンは繰り上げ優勝。

ハミルトンはラッセルに敗れたことに不満を示し、2ストップ戦略を選んだチームに感謝。

ハミルトンはタイトル争いは高望みとしながらも、メルセデスの調子を称賛し今後の戦いに期待を寄せる。

「僕のタイヤまだイケたのに……」勝利手にしたハミルトン、結果的に2ストップに助けられるも、フィニッシュ直後は敗戦に不満隠さず

 スパ・フランコルシャンで開催されたF1ベルギーGPでは、上位勢で唯一1ストップ戦略を選んだメルセデスのジョージ・ラッセルがトップチェッカー。チームメイトのルイス・ハミルトンは王道の2ストップ戦略を採るも1歩届かず2番手でフィニッシュした。

 レース後、ラッセルのマシンが最低重量違反だったことが判明したため、ハミルトンは繰り上がりで優勝。F1通算105勝目を挙げた。しかしハミルトンはレース後、ラッセルに敗れたことに不満を隠さなかった。

 ハミルトンは序盤にフェラーリのシャルル・ルクレールを交わして首位に立ち、レース前半を支配。メルセデスはそのルクレールにアンダーカットされるのを阻止するために、首位ハミルトンを26周目に2度目のピットストップへ呼び込んだ。

 一方でラッセルは1回のタイヤ交換で走り切る戦略をチームに提案し、それを敢行。ハミルトンが2回目のピットストップを終えてコース上に現れた時にあった9秒近い2台のギャップは周回を重ねるごとに少なくなっていったが、ラッセルがチェッカーまで凌ぎきり、トップでチェッカーを受けた。

 ハミルトンはラッセルに0.526秒届かず。2022年サンパウロGP以来のワンツーフィニッシュをベルギーGPで挙げられたことは“予想外”としてチームを称賛しつつも、自身が勝てたレースだったと悔しさをあらわにした。後に勝利は自分のところへ転がり込んでくることになるのだが……。

 レース後のパルクフェルメで、この結果を予想していたか? と聞かれたハミルトンは次のように答えた。

「間違いなく予想していなかった。まずはジョージとチームにおめでとうと言いたい」

「金曜日は本当にひどい状態だった。マシンのパフォーマンスは全くなくて、昨日はウェットでどんなフィーリングになるのか分からないまま、いくつか変更を加えたんだ」

「でも今日のマシンは素晴らしかった。ピットストップや戦略を通じて堅実な仕事をしてくれたチームのみんな、そしてファクトリーのみんなのおかげだ」

 そしてレース終盤のラッセルとのバトルについて聞かれたハミルトンは、どのスティントでもタイヤを使い切ることなくピットに呼び戻されたと明かした。

「もっと(ラッセルに)近づこうと頑張った。でもジョージがロングスティントで素晴らしいタイヤマネジメントをやってのけた。僕はどのスティントでもタイヤが残っていたけど、チームが僕を呼び戻したから……不運だね。でもこういう日もあるさ」

 ラッセルの重量不足は、1ストップ戦略によりタイヤの摩耗が進んだために起きたことではないのかとも言われている。そういう意味でハミルトンとしては、2ストップ戦略を選んだチームに感謝しなければいけないかもしれない。

 メルセデスはサマーブレイク前までの14戦で計3勝と、右肩上がりで調子を上げている。ハミルトンはタイトル争いに加わることは“高望み”だとして、ここ数戦の調子をキープしていきたいと語った。

 タイトルを狙えるか? と聞かれたハミルトンは笑いながらこう答えた。

「いや、それは高望みだろうね。でも、そうだね。ここ数戦のようなパフォーマンスを続けることができれば、素晴らしいことだよ」

「週末をもう少し上手くスタートさせることができれば、もっとキープしていけると思う。今日はマクラーレンがとても強かった」

「でも序盤から僕らは少し前を走ることができた。とにかくプッシュし続けるよ」