近々“オスカーの恩返し”はあるのか!? チームオーダーにより初優勝のピアストリ、「譲られた勝利」ではないと主張も今後のノリス援護を示唆

AI要約

マクラーレンのオスカー・ピアストリが初優勝を果たし、チームメイトのランド・ノリスとのポジションを入れ替える“チームオーダー”が論争を巻き起こす

ピアストリは自分が優勝に相応しいと主張し、今後はチームメイトノリスをサポートする意向を表明

ピアストリはチームのためにレースをし、コンストラクターズ選手権で勝利を目指す考えを示す

 先日行なわれたF1ハンガリーGPでは、マクラーレンのオスカー・ピアストリが初優勝を飾った。レース終盤にチームメイトのランド・ノリスと順位を入れ替える“チームオーダー”で決着がつくという、やや後味の悪い結果に終わったが、ピアストリは自分が優勝に相応しいと考えている。

 マクラーレンはハンガリーGPで終始ワンツーを形成していたが、その大半でリードしていたのはピアストリだった。しかし最後のピットストップの際、マクラーレンは後続のマシンに逆転されるリスクを避けるため、2番手のノリスを先にピットに呼び入れた。その結果ノリスはフレッシュタイヤの利点を活かし、後にピットインしたピアストリを逆転する格好となった。

 その後、マクラーレンはノリスに対してピアストリに順位を譲るよう指示。ノリスは最終盤まで抵抗したが、結局ホームストレート上で減速することでピアストリに首位の座を明け渡した。こういった流れであったことから、ピアストリの優勝の正当性に疑問を投げかける声もあった。

 しかしながらピアストリは、そういった背景に関係なく、自分が勝利にふさわしかったと強く主張した。

 論争もないシンプルな勝ち方をしたかったのではとの質問に、ピアストリはこう答えた。

「理想的を言えばそうかもしれない。最後のピットストップがああいう形になったのは、僕たちチームがワンツーで、最終的にはポジションを入れ替えるという全幅の信頼があったからだ」

「だから僕にとっては当然の結果だと思うし、(勝ちを)譲ってもらったとか、そんなふうには思っていない。もっとうまくやる方法がなかったわけではないと思うけどね」

「結局のところ、レースのスタート時点では僕が良い位置につけていた。あの時点で純粋にバトルをしてしまっていたら、あのようなピットストップ作戦は採れなかっただろう。まあとにかく、僕は(勝利に)相応しいと思っている」

 また、ノリスと話をして誤解を解いたのかと問われたピアストリは、ノリスとはハンガリーGPに関する話はしていないものの、マクドナルドでテイクアウトをしてボードゲームのモノポリーに興じたと明かした。ピアストリはマクラーレンがハンガリーの一件をまだ完全には精査できていないとしつつ、チームのスタンスが変わることはないだろうと語った。

「もちろん、僕たちはチームのためにレースをしている。(これまでは)ワンツーというシナリオではなかったかもしれないけど、僕たちは何度もコース上で接近して表彰台にも近づいていた」

「今回の状況はかなり微妙なもので、まだ完全には話し合いができていないと思うけど、今後もお互いにハードかつフェアで接触のないレースをすることになるだろうという期待がある」

「前回のピットストップ2回目然り、戦略に関する決定はチームの野心に基づいて行なわれるというのは常に念頭に置いている。もし僕たちはお互いにフラットにレースをしていて、後ろに気になるマシンがいなければ、ピットストップの順番も全く異なるものになっていただろう。でも(後続に)気になるマシンがいたから、僕たちは(順位を)入れ替えてまた戻したんだ」 

 ピアストリはそう語った一方で、ノリスのドライバーズチャンピオンに貢献できるのであれば、将来的にノリスをサポートすることも厭わないと話した。

「僕もできる限り上の順位で走りたいけど、マクラーレンのためにレースをしているし、最終的な決定権は彼らにある」

「シーズンは始まったばかりだし、ここから出来る限り多くのポイントを稼ぎたいけど、ドライバーズランキングではかなり後れをとっている。ただ、チャンスがないわけじゃないけどね」

「チームの一員としてランドを助ける必要があるのなら、もちろんそうするつもりだ。でも一番大事なのは、全チームの中で最も多くのポイントを獲得してコンストラクターズ選手権で勝つことだと思う。それが僕たちに与えられた最大のチャンスであることは間違いないと思うし、それが実現するかどうかはこれからわかるだろう」