選抜8強の阿南光に「いい試合できた」 継投で躍進した徳島科技

AI要約

徳島科技は先発の毛利心哉投手からエース左腕宮内侃丈投手への継投で戦ってきた。宮内投手は勝ち越しの適時二塁打を放ちながらも、七回裏からマウンドに上がり、気迫の投球で打者3人を抑えた。

打線は宮内投手の頑張りに応え、八回表に同点ランを奪った。宮内投手はけがから回復した後輩たちに夢と期待を託し、惜しくも勝利を逃したが、力強い姿勢を見せた。

宮内投手はけがから回復してチームに復帰し、毛利投手との継投策により相手打線を苦しめた。2009年以来の4強進出を逸し、甲子園を目指す後輩たちに夢を託した。

選抜8強の阿南光に「いい試合できた」 継投で躍進した徳島科技

(24日、第106回全国高校野球選手権徳島大会準々決勝 徳島科技4―5阿南光)

 徳島科技は今夏、先発の毛利心哉(しんや)投手(2年)から、エース左腕宮内侃丈(かんた)投手(3年)への継投で躍進してきた。

 春の選抜8強の阿南光に挑む準々決勝も、同じスタイルで臨んだ。

 宮内投手は三回表、適時二塁打を放って一時勝ち越すなど、先発の毛利投手を援護。1点を追う七回裏からマウンドに上がった。

 「1点もやれない。気迫で投げよう」

 この回、キレのある直球と変化球で、2三振を含む打者3人で抑えた。

 エースの頑張りに打線が応えた。直後の八回表、先頭打者の野口心宏(みひろ)選手(3年)が二塁打で出塁。犠打で1死三塁とし、捕逸の間に生還して同点に追いついた。

 宮内投手は春の県大会まで先発を務めていたが、左ひじのけがが再発。約2カ月間、投球制限が続いた。春以降の練習試合では毛利投手が先発を担い、けがから回復した宮内投手は2番手を任されるようになった。

 「右横手投げの毛利の投球に慣れたころに、左腕の宮内が登板するのを相手打線が嫌がっていた」と北谷雄一監督。

 だが八回裏、相手打線に長打2本を浴びて1点を失い、2009年の学校統合後初の4強入りを惜しくも逃した。

 試合後、宮内投手は「失投を打たれてしまった。力負けです」と認める一方、「仲間と一緒にいい試合ができた。毛利を中心に力のある後輩たちに、来年こそは甲子園をめざしてほしい」。やりきった表情で、後輩たちに夢を託した。(吉田博行)